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これから、家庭料理はどう変わる?

ここ数週間「家庭料理のニューノーマル」をファクトベースで探っていました。一時的な増加ではなくて持続的に人気なメニューカテゴリーは何か? 料理の目的・意識はどう変化したのか?を、5,800万人の検索データから紐解いてみました。
ハイライトとしてご紹介しますね、詳しくはこちらも読んでみてください。

調査概要
外出自粛や在宅勤務が促されるなど、新しい生活様式の暮らし方に近しかった首都圏地域(東京 神奈川、千葉、埼玉)の2/1〜5/31のレシピ検索データを抽出。利用者の検索動向から「ニューノーマル」を探ります。

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▷成長カテゴリーは、お菓子、パン、粉もの

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3つのメニューカテゴリーが上昇した背景

▷お菓子‥(カステラ・ゼリー・アイスクリーム・プリンなど)
自宅で家族と過ごす時間が増え、レジャー感覚でお菓子作りが楽しまれた。

▷パン‥(メロンパン・シナモンロール・クロワッサンなど)
外出を控えたことから、時間に余裕があり、パン作りを楽しんだ家庭が多かった。

▷粉もの(お好み焼き・たこ焼き・もんじゃ焼き)
下ごしらえが簡単で食材もシンプルな粉もの料理が人気に。家族が全員集まっているため、一度に熱々の料理を提供できる。


▷在宅ランチの主役は麺類?ラーメン店のメニューを求める

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麺類の検索も特徴的です。ラーメン(157%)、スパゲティナポリタン(134%)、そば(110%)など従来から検索頻度の高いメニューも上昇していますが、ラーメン専門店で食べていたようなメニュー名の出現、上昇も多く確認できました。「ラーメン」と組み合わせて検索されるキーワードでは「お店の味」もランクインしていて、これまでより一層「本格的な」麺類のニーズが高まっていくのかもしれません。

▷おうち居酒屋メニューが大人気。

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「おうち居酒屋」の検索が1,652%となり大幅に上昇し、本格的な「THE居酒屋メニュー」が人気です。
①各々で好きなものが食べられる ②帰路を気にしなくて良い ③リラックスしてゆっくり会話できるなどの理由から「オンライン飲み会」が好評で、比例して「おつまみメニュー」のニーズも高まっています。

・鶏皮ポン酢(135%)
・軟骨の唐揚げ(148%)
・磯辺揚げ(159%)
・串カツ(189%)
・アンチョビポテト(278%)


▷「家しごと」が身近に買っていたものを自作する喜び

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数年前から「梅しごと」とよばれる家庭で梅を漬ける作業や、味噌仕込み、ぬか漬けが注目されていましたが、Stayhome期間を通じて「家しごと」へのニーズが高まっているように感じられます。

・紅生姜(146%)
・大葉味噌(161%)
・あずきあん(185%)

自作することに対して、以前より抵抗がなくなりましたよね。良いこだなって思います。


▷「家庭料理のマルチ化」が加速。
緩急つけた料理の楽しみ方が浸透か

近年の検索傾向は「時短意識」がうかがえるキーワードが上位を占めていましたが、パンデミック以降はお菓子やパン、本格料理に関するキーワードの出現が目立ち、料理に求めるニーズが拡大した印象を受けます。

この拡大傾向は不可逆的なものであり、外出制限が緩和されても「時短料理一辺倒」には戻らないのではないかと個人的には予測しています。環境要因として在宅時間が増えることはもちろん「小麦粉から作る餃子の皮のおいしさ」「子どもと一緒に作る料理の楽しさ」などの心理的発見が、マルチ化を一層後押してくれると思います。

一方で「単身の在宅ランチ」が日常化すると、シンプルな卵かけご飯や、朝食の残りものを食べたり、プロテインバーやドリンクなど食事を簡単に済ませることも多くなると思います。

時間をかけて準備する食卓と、シンプルな食卓、家庭ごとに緩急つけて楽しむスタイル(これこそ、旧来のハレとケの家庭料理なわけです)が、今後の家庭料理のスタンダードに位置してくるのではないでしょうか。家庭料理はこれからも進化していきそうです。


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