閉鎖社会と承認欲求

 神戸市の小学校で起きた教員同士のいじめ。関西電力における多額金銭受け取り。どちらも度を超した不祥事に唖然とさせられる。しかも問題を起こしたのが信頼の厚い教師、超エリート社員だというところが問題の深刻さを物語る。

 それはつまり、当事者の資質とか、規律の乱れといったレベルの問題ではないことを意味している。

 学校にしても電力会社にしても、同質的で外部の目が届きにくい閉鎖社会である。そのなかで認められるためには、組織の空気にしたがい、人間関係に波風を立てないように振る舞わなければならない。そのため直接関わっていない人たちは、やり過ぎだとか道徳的におかしいとわかっていても、見て見ぬふりをしてしまう。これだけの大問題になって露見するまで自浄作用が働かなかった事実を見れば、もはや組織メンバーの良心や正義感に期待することが難しいと言わざるをえない。

 したがって、いじめや不正を見逃さず、歯止めをかけさせるには呪縛されていない外部の人材を積極的に取り込んでいくことが必要になる。中途採用や人材交流に加え、空気を共有しない外国人の採用を増やすことが有効だろう。実際に企業の現場では、外国人が数人入っただけで空気が一変し、風通しがよくなったという声が聞かれる。

 外国人の採用を受け身でとらえるのではなく、組織の風土改革の切り札として活用したいものである。



https://www.asahi.com/articles/ASMB453PNMB4PIHB016.html

https://www.asahi.com/articles/ASMB903RXMB8PLFA00L.html



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「個人」の視点から組織、社会などについて感じたことを記しています。

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ohtahajime

同志社大学教授。専門は組織論。個人を重視する組織・社会づくりが研究テーマ。 新刊『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書、2019/2)のほか、『「ネコ型」人間の時代』(平凡社新書)、『なぜ日本企業は勝てなくなったのか』(新潮選書)、『個人尊重の組織論』(中公新書)など著書は30冊余。

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