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コロナ共生時代のビジネスを考えるための3ポイント

コロナ禍によって日本も経済に大きなダメージが及んでいる。 GDP は4-6月期で、前年比3割近い減少となった。


世界的に見ても、大きな減収に直面している会社も少なくない。4-6月期で、4社に1社が3割以上の減収になっているという。

一方で、数は限られるかもしれないが、このコロナ禍の中でも好調な収益を維持していたりあるいは新たなビジネスをスタートさせるといった動きも出てきている。

こうした事例や、私個人の経験から、コロナ共生時代の新たなビジネスのあり方を考える時に何を考慮すべきかについて、現時点で3つほどポイントとなることがあるのではないかと思うので、今回はそれについて書いておきたい。

1)顧客層の見極め・小さなマーケットの可能性


1つは顧客層の見極めである。

以前にも書いたとおり、人々は「慣れ」と「飽き」、つまりはこのコロナの時代に慣れた人と、この時代に馴染めず飽きてしまい元のオフライン中心の世界に戻りたいと考えている人に二極化してきているのではないか、と感じる。なかには、「慣れ」ているが、仕事の特性などの制約で「飽き」層と同じ行動をとらざるを得ない人もいるだろう。ここに新たな二極化の軸が生まれて始めているように感じる。

一方、これは元から言われていることだが、いわゆる貧困層と富裕層という二極化が進んでいると言われている。

この2つの軸というのは垂直に交わる別軸となっているのではないか、という肌感覚だ。例えば、富裕層であっても「慣れ」ている人もいれば「飽き」ている人もいるということを、SNSの書き込みなどで実感する。

200819コロナ共生時代の2つの2極化

この4つの象限ごとにビジネスを考えていく必要がありそうだ。従来は富裕層か貧困層かといった軸を意識していたところに、「慣れ」層と「飽き」層という別の軸が垂直に交わっている。

各象限の人数比率がどのくらいになるかということはまだはっきりとはしないが、おそらく横軸の上、つまりは「慣れ」層の人(①と②)の方が現状は少数派だろう。しかし時間が経つにつれて、この比率は高くなっていくのではないだろうか。

仮にこの仮説が正しいならば、今のうちから「慣れ」層の人たちに向けたサービスを開始しそこでの知見を積んでおくことが将来大きなビジネスにチャンスをつかむ可能性を取ることになるのではないだろうか。

上に紹介した記事でも、いずれも「万人向けではない」「市場が小さい」として、社内やあるいは競合他社が見向きもしなかった市場や商品がここにきて注目されている傾向がある。この意味でも、従来の「常識」では、新たな市場を見出すことが難しそうだ。


2)オンラインを軸にオフラインも活用できるビジネスを考える


2つ目は、オフラインも活用できるオンライン中心のサービスを考えるということだ。今後、コロナ問題がある程度落ち着いたとしても、一度始まったオンラインの様々な取り組みが元に戻り、なくなってしまうということは考えにくい。もちろんオフラインでしか実現しないように思われることも多々あり、オンラインが万能であるということではもちろんないが、一方で、オンラインの利便性や手軽さ、有効性といったものが、ここ数か月でかなりの程度多くの人に認識されたと思う。

全てをオンラインでやろうとすれば、もちろんオンラインの弊害や不足する点が目につくが、オンラインとオフラインの両方の良いとこ取りをすることによって、さらに過去のビジネスがより良いものになるのだと思う。そのために、今後は、まずオンライン中心のサービスを考えて、それがオフラインでもできるとか、あるいはオフラインを組み合わせることでより良くなる、といったものを模索するべきだろう。そのように組み立てておけば、もしも再び新型コロナウイルス感染の大流行が始まったり、または全く異なるウイルスなどの感染症が発生したときにも、オンラインのみの形態にすればよく、オフラインのみに頼る危険性を回避することができる。状況が収束すれば再びオフラインの要素を加えていけばよいのだ。

3)これまでやっていなかったことをやる


そして3つめは、これまでやっていなかったこと、手を付けていなかったビジネスに取り組むということだ。

どうしても、過去にやっていたビジネスであれば、それはオフラインが前提であって、その時の記憶が顧客の中にある以上、オンラインビジネスが、仮のもの、一時しのぎの間に合わせのもの、といった印象を持たれることになってしまうだろう。それは、例えるなら車検の時に貸してもらえる代車のようなイメージを持たれてしまうと思うのだ。

そうではなく、これまでオフラインビジネスの時には行っていなかったことや出来なかったことを、オンラインをベースとした新しいビジネスとして組み立て、新しい価値を顧客に提案していくことが重要だと思う。そうすれば顧客も過去に比較するものがないので、オフラインの時だったらこうなのに、という不満を持つことがない。

例えば、これまではオフラインビジネスとして徒歩圏内の人を相手にしてきたものを、オンラインを使うことによって遠隔地の人たちに対しても提供する、というのも一つあるだろう。また気候や季節の制約を受けて通年では提供できなかったオフラインビジネスを、オンラインに切り替えることでクリアする、といったことも考えられるだろう。様々なオフラインの制約条件を、オンラインを活用することによってなくしたり、新たな価値を創り出すことができるビジネスもあると思う。特に、オフラインで検討したものの断念したビジネスがあるなら、もう一度、今ならそれがオンラインを軸にすることで出来ないか検討してみる価値があるように感じている。

ポイントは、前だったら、つまりオフラインだったら、こんなことができたのに、という印象を顧客にもたれないようにすることである。

まだまだコロナ共生時代のビジネスのポイントというのはあるだろうし、これからどんどん出てくるのだと思う。また、そうであることを期待して、現時点で私の中でも整理がつきつつある3つのポイントをご紹介した。これからのビジネスを考えるうえで、何かしらの参考になればと思う。

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