3月7日のECB会合では政策金利は据え置きとなろうが、併せて新たな緩和手段の実施計画が発表される可能性が高いとみている。年明け以降に発表されたユーロ圏の経済指標は「減速は一時的にすぎない」というECBの従来予想を裏切る軟調さを示しており、四半期毎のスタッフ経済予測が公表される今回の会合では、今年と来年の成長率予測が0.3%ほど下方修正されるのは必至であろう。

こうした下方修正に反映される成長減速リスクに対応する上でECBが採用する選択肢は、再びの「条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)」となると思われる。

TLTROはすでに2回にわたり実施されているが、貸出に回すという条件下で銀行に対して一定期間にわたり低水準の資金調達を可能にする供給オペであり、銀行にとってはマイナス金利下で利ざやを稼ぐ上での大きな安心感となる。期間と適用金利は未知数だが、期間は3年ほどと十分長く適用金利は固定金利とすれば、経済と金融市場に対する下支え効果は大きいだろう。

もっとも、期間と適用金利などオペの詳細については、ECBは発表を今後の会合時に先送りして今回はアナウンスメント効果を狙う可能性も大きい。というのも、向こう数カ月間は、英国のEU離脱、欧州議会選挙、米中貿易協議とそれに関連した米欧間の自動車関税引き上げの議論など、実体経済に影響を与え得る多くのイベントの進展を見極める必要があるからだ。詳細を含む正式発表は秋口かもしれない。

いずれにせよ、クレジット市場に対してはTLTROの再設定はプラス評価となる。とりわけ銀行セクターにとってはプラスと考えられるであろう。


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