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2023年に一層求められるデジタル化、グローバル化

2022年を振り返って印象深いこととして、「世界の中での日本の存在感が静かに低下しているのでは」と感じさせる報道を目にする機会が以前に比べ増えたことです。

1人当たりGDP、日台・日韓で逆転へ 日経センター予測 [2022/12/14 日本経済新聞]

日本経済研究センターは14日、個人の豊かさを示す日本の1人当たり名目国内総生産(GDP)が2022年に台湾、23年に韓国をそれぞれ下回るとの試算をまとめた。デジタル化で後じんを拝し労働生産性が伸び悩むことに加え、円安・ドル高でドル換算の金額が目減りするためだ。
(中略)逆転は一時期ではない。韓国と台湾が行政をはじめとするデジタルトランスフォーメーション(DX)で先行し、労働生産性の伸びで日本に差を付けるとみるためだ。
韓国と台湾の労働生産性は20年代、1人当たりGDPを約5ポイント押し上げる。対照的に日本は2ポイントにとどまる。その結果、20年代の1人当たりGDPの年平均増加率は台湾が6.2%、韓国が4.8%であるのに対し、日本は1.3%と低い。
日本の1人当たりGDPは07年にシンガポール、14年に香港に抜かれた。台湾、韓国とも逆転すると、この4カ国・地域を指す「新興工業経済群」(NIEs)すべてを下回ることになる。

[2022/12/14 日本経済新聞]
[2022/12/14 日本経済新聞]

世界各国のイノベーションランキングをマッピングした地図・順位を見ると、日本は13位とのことです(情報源:国連機関であるWIPOが作成した「Global Innovation Index 2022」)。

Mapped: The Most Innovative Countries in the World in 2022 2022/12/15 Visual Capitalist

日本は13位。市場やビジネスの成熟度はそれぞれ9位、8位と高いものの、「人材とリサーチ」、「創造的なアウトプット」のランクではそれぞれ21位、19位となってます。韓国は同じ「人材とリサーチ」、「創造的なアウトプット」のカテゴリでそれぞれ1位と4位と高いスコアを挙げている点、すごいですね。韓国のエンタメ産業、EVやバッテリー産業の世界的な存在感・活躍が思い起こされます。

WIPO Global Innovation Index 2022

日本の順位は4年前とほぼ同じである一方で韓国のランクは12位から6位へと大きく上昇しています。

WIPO Global Innovation Index 2022

1人当たり名目国内総生産(GDP)、イノベーションランキング等の推移に関し、日本の少子高齢化、生産性の低さ、円安等の要因はあるとはいえ、厳しい現実に際し、一人ひとりのレベルで何ができるのかということを考えさせられます。その中でも生産性向上のためのデジタル化、そのための技術者の確保や育成等は最重要テーマの一つといえます。

そんな中、気になったのが以下のコラムで紹介されていた「デジタル戦争は、つまるところ、米企業のインド人技術者と米国帰りの中国人技術者「海亀」との対決となりそうだ。」という視点です。

米主要テック企業の人種別構成は白人とアジア人が拮抗している。メタ社(旧フェイスブック)ではここ数年、アジア系が4割を超え、白人を上回るようになった。アジア系のほとんどは中国人とインド人であり、シリコンバレーでは、ほぼ同数だ。
米国が目指す半導体の自立体制にも、技術者不足の壁が立ちはだかる。必然的に、インド人技術者の米国内での評価は、ますます高まっている。米中のデジタル戦争は、つまるところ、米企業のインド人技術者と米国帰りの中国人技術者「海亀」との対決となりそうだ。
日本は国策としてデジタル化の推進、半導体生産への巨額の支援を掲げている。だが、何よりデジタル教育の充実が必要であろう。多くの大学に国内外の専門家を集め、デジタル学部の増設、特別奨学金制度などで、技術者の育成を図るべきだ。

[2022/12/14 日本経済新聞]

ニューヨークタイムズの記事でちょうど日本国内のインド人技術者の状況をレポートしている記事がありました。国内のデジタル化の遅れ、生活習慣に馴染むのに苦労がある点の指摘が印象的です。

日本はインド人技術者を必要としている。しかし、彼らは日本を必要としているのだろうか?〜採用担当者は、世界第3位の経済大国が、グローバルな人材を獲得するために米国やヨーロッパと競争できるかどうかを見極める重要な試金石と呼んでいる。』

インドは毎年150万人の工学部卒業生を輩出
②"インド人労働者の多くは、日本の都市の清潔さと安全性を賞賛し、その給料で贅沢はできないまでも、快適な生活を送ることができると言う。また、日本語や日本文化を勉強したことのある人たちからは、絶賛されることもある"
③日本の企業、特に中小企業は、物理的な事務処理から脱却し、デジタルツールを導入することに苦心しています。政府の報告書や独自の分析によると、日本企業のクラウド技術の利用は、米国に比べ10年近く遅れている。
④"いい人たちだ、何もかもが完璧だ、でも個人対個人の関係になると、なんだか物足りない "
⑤"日本で働くインド人技術者の多くは、日本の鉄壁の企業階層と変化への抵抗に遭遇する"

2022/12/12 The New York Times

パンデミックやウクライナ危機を経て、新しい産業、働き方、そして価値観が今後数年で模索され、その結果がその後に大きな差となっていくことと思われます。

世界中で模索が続くそんな競争の中で、やはり他の国や地域で議論されている内容、そして成功・失敗事例から学び、同時に、国内で生まれる新しいイノベーションもグローバルな文脈で発信していくことの重要性が高まっていくことと思います。

海外で起きているイノベーションに関する情報をタイムリーにキュレーションして国内の文脈で共有しつつ、国内の動きも同時に英語で発信するような取り組みを過去1年ほど、「気候変動・気候テック」の分野で試みてみました。
・Climate Curation(日本語): https://socialcompany.substack.com/
・Japan Climate Curation(英語):
https://bit.ly/JapanClimateCuration

改めて感じるのはまだまだ十分にできてないという反省です。2023年は量と質にこだわって、より注力していきたいと思っています。


▶2021年夏以降気候変動・脱炭素・クライメートテックについてCOMEMO記事として公開した記事のリスト


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