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足りていないのは探検家なんだ

時価総額10兆円を超えたスクェアの創業者、ジム・ジム・マッケルビーが、2020年に書いたイノベーションについての本が、最近日本でも出版されました。

ビジネス関連の書籍で、声を出して笑ったり、涙がこぼれたことはこれまでありませんでしたが、この本は違いました。ユーモアと熱い気持ちが詰まっていました。

『 最近では、事業を始める人はみんな起業家扱いされる。これは観光客を探検家と呼ぶようなものだ。「起業家」という言葉を見たら、反逆者、探検家、そして利潤や常識さえ無視して動く人々を想像してほしい。

そして、「起業家」とは完璧な問題に取り組む人である。完璧な問題は、未解決でありながら、自分が解決するための力と勇気を持っている問題だ。解決策はあるはずだけれど、その解決策はまだ存在していない。

自分で解決するまで、しかも一番乗りで解決するまで、その問題が完璧だったかどうかはわからない。さらに、問題が解決不能だと証明する方法もない。』

この書籍では、誰も解いていない問題に対して命を賭して果敢に取り組む、探検家のような存在を「起業家」と定義しています。

そして、この探検の結果が、新しい産業や市場を切り拓くことが示されています。

既に解かれている問題を、より上手く解くことを目指すことは、決して悪いわけではありませんし、利益を上げることも多いでしょう。

しかし、人類の未来を切り拓きもしません。マッケルビー氏流に言えば、より良くするための挑戦にいくら困難が伴ったとしても、それは観光のようなものです。

日本でも、スタートアップ企業が勃興してきおり、日本経済を活性化させる良い流れが起きています。このスタートアップ企業の中に、探検家的な起業家の比率が増えていけば、日本にも新市場が生まれます。

そして、完璧な問題に対峙するのは決して初めからでなくても良いのです。20世紀を代表する起業家の松下幸之助さんの伝記を読むと、最初から問題に対峙されていたわけではありませんでした。事業を興す苦労の中で、自らが取り組むべき問題を見い出されていきました。

経緯は様々あるにせよ、完璧な問題に取り組むスタートアップ企業がどんどん誕生していけば、日本はもっともっと元気になるはずです。

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