「採用直結」のインターンを認めるべきでは

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45792680W9A600C1EA2000/

 記事にもあるように、わが国でもインターンシップを採用に結びつける動きが本格化してきた。けれども政府は、採用直結のインターンシップを認めていない。

 アメリカなどでは、以前からインターンシップで適性や能力を見極めて採用するのが普通だ。ましてわが国の場合、企業がいったん正社員として採用したら、適性や能力に少々問題があったとしても解雇するのは容易でない。にもかかわらず学歴や面接、適性検査だけで採用するのは、企業にとってとてもリスクが大きい。肝腎の仕事能力・適性は、ほとんど担保されていないからである。

 採用直結型インターンシップを認めることは、学生側にもメリットがある。これまでの採用方式だと、いわゆる「学歴フィルター」にかかる一部の有名大学だけが優遇され、それ以外の大学の学生は、たとえ能力が高くても実質上エントリーするチャンスさえ与えられていなかった。インターンシップからの採用が当たり前になれば、彼らにも採用の門戸が開かれるわけである。

 つまり、実力主義のもとで平等な就職機会を広げるという意味でも、採用直結型インターンシップの広がりは望ましい。

 そもそも建前上は認められていないが、現実には有名無実という状況を放置するのはよくない。なぜなら、「建前」を誠実に守る企業や学生が損をするからである。政府は早急に方針の転換を検討すべきではなかろうか。 



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「個人」の視点から組織、社会などについて感じたことを記しています。

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ohtahajime

同志社大学教授。専門は組織論。個人を重視する組織・社会づくりが研究テーマ。 新刊『「承認欲求」の呪縛』(新潮新書、2019/2)のほか、『「ネコ型」人間の時代』(平凡社新書)、『なぜ日本企業は勝てなくなったのか』(新潮選書)、『個人尊重の組織論』(中公新書)など著書は30冊余。

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