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就活生の親は、一歩下がった伴走者で

就活生の親は、口出ししたくなっても、自制しましょう。一方で、無関心も良くありません。一歩下がった伴走者という立場をとると良いと思います。
「こちらから口は出さないけれど、頼りたい時は頼ってくれて、質問がある時は質問してくれて、黙って愚痴を聞いて欲しい時は愚痴を言ってくれて構わない。こちらはずっと応援しているから」という暗黙のメッセージを送りましょう。
その際、親の時代と今とでは就職活動をめぐる状況が全く異なるのだ、という事は、しっかり理解しておく必要があります。
今の就活は、とても大変です。就活期間が長いので、多くの会社を受けることになります。したがって各企業の倍率が高くなり、落ちる確率も高くなります。売り手市場であっても、同じ事です。何十社も受けて、何十通もの不合格通知を受け取りながらも、「落ちても落ちても落ち込まずに受け続ける」事が必要なのです。
それから、親の頃は大卒は珍しい存在で「エリート」でしたが、今は同期の半数が大卒ですから、「大学を出たから一流企業に入れる」という事はありません。高卒の親が「自分の子は大学を出して、一流企業に入れよう」と思っていても、子が親と同じ会社(同じレベルの会社)に入る事も、自然な事なのです。
「大学まで出してやったのに、そんな会社に入るなんて認めない。内定を断って来い」という親がいるようですが、子供が大変な苦労をしてようやく勝ち取った内定を断るのは、非常に勿体無い事なのです。事情もわからず、大変勿体無い事を子に強要するような事だけは、絶対にやめましょう。
たとえば一流企業へ行くかベンチャー企業へ行くか、というのは、価値観の問題ですから、親が口を出すべきではないでしょうね。それまで22年間、親の背中を見ながら育った子が、どういう価値観を持つのか、それが何であっても親はそれを受け入れるしかないでしょう。
仮に親子ともに「一流企業志向」だとしても、具体的な企業選びは子供に任せましょう。社風が合うか否かも重要ですし、やりたい仕事があるか否かも重要です。
それ以上に、30年後のことは分からないので、無責任な押し付けは避けるべきだ、という事も言えそうです。「もしも30年前の自分の就職に、自分の親が50年前の知見に基づいてアドバイスをしてくれたら、成功していただろうか」を考えてみれば、とても怖くて具体的な企業名など挙げられないと思いますが(笑)。


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塚崎公義(久留米大学教授)

2005年まで、銀行員として、主に経済調査関係の仕事(景気の予想屋など)をやっていました。 現在は久留米大学商学部の教授ですが、堅苦しい理論の話より、景気や経済の話、資産運用の話など、役に立つ経済の話を中心に投稿していきます。よろしくお願いします。

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