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日本にアマゾン・エフェクトは起きるのか?

アメリカの小売りが減った

 以下の記事を見ると、とても脅威に思う人もいるだろう。特に日本の流通関連産業の人にとっては、日本にもアマゾンがあり、同じようなことが起こるのではないかと不安になるかもしれない。しかし、この件については冷静に、業界の特徴と日米の違いについて理解しないといけないだろう。

すべてのカテゴリーで小売りが減ったわけではない

 この記事の中でも説明されているが、実はウォルマートは、売り上げが伸びている。え、と思うかもしれないが、すべての業種において、小売りが減っているわけではなく、アマゾンの強い領域で、アマゾン・エフェクトが起きているのである。

初期の代表例は11年に破綻した書店大手のボーダーズ。15年には家電量販店のラジオシャック、17年には玩具販売のトイザラスも破綻した。

とあるように、まだすべての小売りで、アマゾン・エフェクトが起きているわけではない。まだ領域は限定的だ。

日米の違いもある

 日本で小売りといえば、食品を多く取り扱う「スーパー」が代表的だ。そのスーパーでも、日米には大きな違いがある。アメリカのスーパーの食品は、冷凍食品、加工食品が多いのに対して、日本では地元でとれた、魚や野菜の取り扱いが多い。そして、その商品は地元ごとに大きく異なる。札幌では、普通にジンギスカンの肉がスーパーで売っているが、東京ではそれほど多くない。それほど、日本の小売りは地域密着なのである。アマゾンは、全国一律のサービスが得意である。

 そして、何より、日本の小売りはサービスが良い。雨が降ったら、百貨店では紙袋にビニールをかけてくれるし、スーパーでも商品をセルフサービスではなく、店員が袋に詰めてくれることもある。

 つまり、日本の小売りの強さや、特徴を生かすことで、ECタイプの流通と、リアルな流通は共存できるのである。

 日本型の、小売りの発展。これを、米国のアマゾン・エフェクトをきっかけに考えれば良いのではないだろうか。

#COMEMO #NIKKEI

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本間 充(アウトブレイン顧問/アビームコンサルティング顧問)

1992年に花王に入社。デジタル・マーケティングをリード。現在は、コンサルタントとして企業のマーケティングのデジタル化を支援。ビジネスブレークスルー大学の講師、東京大学大学院数理科学研究科 客員教授、事業構想大学院大学 客員教授。著作として「シングル&シンプルマーケティング」

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