
アフターコロナのファッション消費はどうなるのか?
めがねシャチョウです。
コロナウイルスの危機的状況の中で、今後どうなるのか、不安な方多いんじゃないでしょうか。
こんな記事を見つけました。香港から高級ブランドが次々と撤退している、ということです。
さらに、国内の話ですが、アパレル大手のオンワードさんも700店ほど退店するようです。
めがねシャチョウは、眼鏡屋をしているので近しいところはありますので、今回、アフターコロナの雑貨販売、眼鏡屋の在り方を大予想します。
眼鏡業界以外の方でも個人経営の商店などしている方にも参考になると思いますので、ぜひ見てみてください。良ければ右下のチャンネル登録ボタンをぽちっとお願い致します。
(1) いつまで続くのか?
いつまで続くのか、とう話ですが、緊急事態宣言明けの5月、6月にこの需要の減少が戻る、ということはありえない、と思います。
直近、大手のマイクロソフトが当面の間、オフライン、対面でのイベントを行わない、というニュースを見ました。で、7月まで、と書いていたんですけど、これ今年じゃなくて来年の7月まで自粛する、という内容だったんですよね。
https://www.gizmodo.jp/2020/04/microsoft-takes-all-events-online-until-2021-july.html
え、来年7月、長すぎじゃない?、と思った人は危機感が全く足りないと思います。
来年7月の段階でも完全には需要は戻ってないです。個人的な予想だと、だらだら自粛ムードは続いてて、完全収束はしてないけど、まあオリンピックをやるのは大丈夫、といった具合だと思います。
まあ、オリンピックあたりからようやく、というぐらいならまだましなくらいなんじゃないでしょうか。
劇的に致死率が下がるワクチンなど開発されない限り、完全に収束するなんてありえないです。
今回これだけの経済への打撃がありましたからね。例えば、インフルエンザのようにまた来年流行になって例えば、今後、毎年冬に自粛ムードになるかもしれません。
どちらにせよ、これまでの延長線上に未来はありません。
(2) メガネ業界でもどの業態が厳しいのか?
で、その中でも人はメガネはかけますので、どうなっていくか簡単に予想したいと思います。
まあ、現在も好調なスリープライス業態の有名どころ、いわゆる低価格業態は生き残っていくでしょうね。
もちろん、今までの既存のお客さんのリピート率は減っていくと思うんですけど、後からも説明しますが、今までも上の価格帯で買っていた人が安い方に流れてくるので、影響は軽微と言えるんじゃないでしょうか。
で、参考までに、実際情報が公開されているメガネ業界の上場企業で調べてみました。
2020年3月の売上高の速報値ですね。
愛眼さんが、既存店ベースで22.6%、全店ベースで24.3%
JINSさんが、既存店ベースで17.4%、全店ベースで13.4%
パリ三城さんが既存店ベースで17.4%、全店ベースで20.1%
眼鏡スーパーさんは既存店ベースで6.6%、全店ベースで8.8%
となってました。メガネスーパーさんがそこまで落ちてないのは意外ですが、地方店舗の割合とコンタクトレンズ売上の割合が多いからでしょうか。
で、大きな流れとしては、ここ5年、10年とかでメガネってブランド化してきたと思うんですよね。
Made In Japanのハウスブランドなんかで海外の展示会に参加するようなブランドもぐんと増えましたよね。
で、そのブランドが独自のお店をオープンしてきた流れがあると思います。職人系メガネで数十店舗オープンしてきた店もあるし、ハウスブランドでも数店舗オープンして、卸と直営店のビジネスに少しずつ拡大してきたんですよね。
さらには、それら増えた小さいブランド群を束ねるようなメガネのセレクトショップも好調でここ10年くらいで店舗数を増やしたところが多いんじゃないでしょうか。
この背景にある文化って何でしょうか?
これは、まずはメガネが今までの機能性商品から人々のライフスタイルにまで入り込んでいって、ファッションやブランドにかわっていった、ということと、もう一つはインバウンド、とりわけ中国大陸、中国人関連、のビジネスチャンスの拡大、だと思うんですよね。
だから、そこそこ外国人が来るところにお店を出せば利益は出る。このビジネスと卸のビジネスでさらに収益を重ねた、出た利益で海外の展示会などに投資してきたわけなんですよね。
今後の不景気の時代には、この2つの前提が壊れてしまうので、非常に厳しくなると言わざるを得ないです。
別に攻撃するとかポジショントークとかではなく、本心で思っていることを話しますが、厳しいと思います。
まず、ここ5年、10年進んできたメガネのファッション化の波はなくなりませんが、その流れは一旦とまります。メガネはおしゃれアイテムとして使う人は以前よりは減ります。
人と接する回数が減ってしまうと、眼鏡とか服とかにお金を使わなくなるんですよね。自分も最近自宅で作業していますが、普段はファッションブランドとか好きなのに、家だとユニクロとか来ていること多いんですよ。
インバウンドも、減りますね。完全にはなくなりませんが、当面は減るでしょうね。確かに来年オリンピックはあるでしょうが、まあ微々たるものでしょう。
インバウンド特需はもう終わった、と思っていいでしょう。
(3) 生産側はどうなの?
生産側でいうと、短期的には、中国の工場で作れなかったので、その分、鯖江に発注している国内の会社は増えた、と思いますが、それは長続きはしません。中国の生産側、B2Bビジネス自体はもう数か月で復活しますし、やはり日本製との価格差がありますぎるので、中期的な代替えにはならないです。
海外メーカーのOEMはそこそこは戻るとは思いますが、今後、微減していきます。
特に、プラスチック枠の工場はより厳しくなります。
元々、プラスチック枠工場は、中国製の物量が増えているので厳しくなってきた傾向はあるでしょうが、今後、プラスチック枠はかけ心地のいい、家メガネのような中国製の商品に侵食されていきます。専門用語でいうと、まあTR-90素材のマーケットシェアは増えていきます。避けられない流れでしょう。
特に女性コンタクトユーザーの間で家メガネの需要は高まりますが、まあ安い価格帯のところなので、国産工場には好影響は与えません。
(4) 今後について
今後どうなるんでしょうかね?またどうしたらいいんでしょうか?
それぞれに簡単な提言をします。あくまで言いたい放題で無責任に言い放ちます。
まず個人店の方ですね。
リピート割合が8割、9割とれていて土地は所有しているような歴史の長いお店であれば、今後すぐにはつぶれはしないですが、ここで、個人保証付きで緊急の融資を受けることがどれだけ意味のあることかは分かりません。その地域に密着した顧客基盤があれば、まだやっていけます。
ただ、確実に縮小はしていくので、空いている時間で全く新しいことでお金を稼いでいけるようにならないと今後、生活は厳しくなってくると思います。
あと、数か月のつなぎのつもりで生き延びるためにお金借りるならやめたほうがよいです。あなたが思うよりもっともっと長引きます。
1年ぐらいはかかると思ったほうがいいです。ただ、固定費も低いですし、うまくやれば生き残ってはいけると思います。
店展開もしている比較的高単価なメガネブランドの場合は、今なら敷金分は最低でもかえってくるので、お店は閉めたほうがいいと思います。赤字なら、即刻しめるのは当たり前ですが、黒字でもその黒字幅が低くて敷金額が大きいのであれば閉店も検討すべきでしょう。
固定費を下げて、卸中心でキャッシュフローを稼いでいくビジネスに回帰していくべきで、多分1年間もたないと思います。ダウンサイジングは避けられないでしょう。
めがねシャチョウも、今回のブラックスワン、未曾有の危機で考え方が根本的に変わりました。
もう店舗とか出していく時代じゃなくなってきてるんですよね。これはメガネだけの話ではないと思います。
皆さんが思っている以上に、多分自分はパラダイムシフトが起こっていく、と思っているし、多分自分が思っている以上に、現実でももっとパラダイムシフトはさらにおこっていくんだと思います。
皆さん、変化を低く見積もりすぎてるな、と思っていて、今の自分たちのライフスタイルとかってなんか変じゃん、って思うんだと思うんですよね。
例えば、Zoom飲みとかあるじゃないですか。オンラインの会議ツールで飲み会するとか、ってありえない、とか思っていましたけど、今浸透してきているし、多分今後も文化として残ると思います。
今信じられないような変化が今後起きてそれがもう定着してしまうことも多いです。
で、かといって、ここで僕は、自分がネット通販やっているからってこれからはネットだ、とは言わないです。あ、ちなみに、めがねシャチョウはOh My Glasses Online Store、というメガネサングラスの通販サイトをやっています。
ちらほら、じゃあネットだ、フレームの取り寄せだ、とバタバタやっている人見かけますけど、そんなに簡単ではないと思います。
これについては、奥の手というか秘伝のたれみたいなところもあるので全部はここではしゃべれないんですけど、本質的な問題なのは、ウイルスのせいで、実際にお店まで買いにいけない、ことではないからです。
先ほど私が話した、最近は、ブランドの服ではなく、ユニクロの服を着てる、といってるのと同じで、今までのように人はメガネを使わない、今までのように人はメガネを求めない、ということなんですよね。
だから、無理にネット通販なんかする必要なくって、まだ近しい商材のマスクを自分で縫製して販売するとかまだありだと思います。
笑い話に思う人いるからもしれませんが、それぐらい発想の転換が必要、ということだと思います。
ここ10年くらいメガネがファッション化してきたので、レンズ無料にしてフレームデザインとかフレームのブランドとかばかり注目されてきましたけど、レンズのニーズは見直されるでしょうね。
フレームとレンズの立場は逆転します。レンズが価格の中心になって、家メガネが無料でついてくる、選べる、といった具合になってきます。
そもそも家ばっかりで使ってたら、そんなにいっぱいメガネはいらないから、同じメガネをずっと使うようになる。同じデザインのフレームでいいわけですよ。もう新しいデザインなんていらないわけです。必要なのは複数種のレンズになるんです。
レンズだけ交換すればいいし、ウイルスとかあるから、レンズの機能的なところは気にする人も増えてくる。
レンズの値段は今後あがってくると思います。
だから、例えば個人店の方とか、もうフレームとか仕入れなくていいと思うんですよね。例えば、フレームはOh My Glasses Online Storeで買う、で、レンズだけ店頭で販売する。もうタバコ屋のような感じでいいと思うんですよ。目的買いで来る人を着実に捕まえて収益性の高いビジネスをすればいいんです。
日本のメガネブランドは半分か3分の1くらいに減ると思いますね。これからブランド立ち上げようとか思っている人はやめたほうがいいです。今ちゃんとやれてる会社もあまり拡大路線をとらず確実にマージンを維持して収益性の高いビジネスをしておくのが身のためです。
今日は、現在の前代未聞のブラックスワン、未曾有の危機に際して、眼鏡業界としてどう立ち向かっていくべきなのか、また未来をめがねシャチョウの独断と偏見で予想しました。
今回悲観的な話ばかりしましたが最後に一つポジティブなことを言いたいと思います。
危機の後には、危機が苦しいものであればあるほど、ビジネスチャンス、残存者利益がある、ということです。