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2020年に向けたトランプ大統領の『フェイスブック選挙』、再び。

現職大統領であるトランプ氏再選キャンペーンチームのフェイスブック広告出稿量が既に他の候補を凌駕する圧倒的な量であり、昨年の12月30日から今年の3月10日までの期間で見ると既に350万ドルに達している、とニュースサイト「アクシオス」が報じています(Another Trump Facebook Election)。フェイスブックなどの「巨大テック解体論」を唱えるエリザベス・ウォレンが皮肉にも2番めの出稿量という点も注目です。歴史的にみてもこの早い段階でここまで予算をかけて広告キャンペーンを行うことは例を見ない、と記事の中でも指摘されています。

トランプ氏のフェイスブックページはトップページも動画が埋め込まれていて非常に洗練されていて、一日に複数回投稿されるポストはニュースの引用、画像や動画などが巧みに発信され、全て数万件以上の「いいね」がされています。明らかにプロが運営している様子が伝わってきます。

エリザベス・ウォレン議員らが声高にフェイスブック含む巨大テック企業の解体、ターゲティング広告などのデータ活用の規制の動きを強める中で、2016年のトランプ大統領誕生を支えたソーシャルメディアチームはその先の先を既に見据えて戦略を練っていることが容易に想像できます。

例えば上記のフェイスブックページに記載されているTEXT "FACEBOOK" TO 88022 に従ってショートメッセージを送信するだけで今後継続的に選挙遊説キャンペーンの案内、寄付の依頼、投票の呼びかけが可能になります。

トランプ陣営のソーシャルメディア戦略の責任者、ブラッド・パースケール氏によると、民主党候補者が立候補に名乗りを上げる前から数年に渡って候補者のメールアドレス、携帯電話番号、フェイスブックのアカウントまでを掌握しているそうです。マイクロターゲティングを精緻なレベルで出来るよう取り組んできたことで、2020年の再選には自信があると力強く語っています。オバマキャンペーンの2008年に話題になったフェイスブック活用、2012年のビッグデータ活用から8年が経ち、最近ではAI活用、マシンラーニングなども利用可能になってきている中で、当時とは比べ物にならないレベルでの洗練されたマーケティング戦略が推進されていくことと思います。

国内でも4月には統一地方選で各都道府県で選挙が、夏には参院選が実施されます。フェイスブックでのデータ活用に関してはアメリカほど声だけに批判や議論が行われているとは思えません。ただ、より有意義な議論が交わされるためのテクノロジーの活用に関しては、貪欲に米国の事例も参照しながら、学べる部分を活かしていく姿勢が大切になるのではないかと思われます。


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