ルーブルが下落している。4月以降ルーブルは18%下落し、長期金利は3月末の7.1%から8.75%まで大幅上昇。アルゼンチンにIMFが入り、ベネズエラはデノミ、トルコリラも暴落。新興国懸念が重石になり、7月の投信資金流入は勢いが鈍った。次はロシアなのか。

今年3月の英国における元二重スパイ毒殺事件から英国が対ロ姿勢を硬化させ、昨年8月に対ロ制裁を強化した米国が今年4月にオリガルヒ(ロシアの新興財閥の総称)に追加経済制裁を決定して以来、ロシアの西側との外交関係はこれまで以上に悪化している。さらに、米国は先週には武器輸出禁止という追加制裁措置を発表、対話による解決の見込みも当面ない。

西側からの制裁強化により、①通貨下落がインフレを押し上げ、家計消費を圧迫するリスクがある。民間の設備投資も抑制される、②大手財閥を中心にドル建て収入が断たれた状態では、川下企業のドル建て債務の支払いに困難を来す、③ロシアの銀行セクターはなおも収益率が低く、流動性は脆弱、などが懸念される。

しかし、新興国の中では、ロシアは比較的健全な財政収支、公共債務、経常収支を維持。ロシア成長率は2016年のマイナス0.2%からプラス1.5%に回復。2017年には油価上昇と歳出削減で財政赤字が対GDP比1.4%に縮小している。他国対比での懸念は限定されると見ていいのではないか。問題が広がりを見せるかどうかは、制裁により圧迫される民間部門を、堅牢な政府部門がどれだけ対応できるか、にかかる。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34598690V20C18A8000000/

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