
家事のデジタル・トランスフォーメンションを考えるヒント
デジタル・トランスフォーメーションはどの領域でも起きている
デジタル・トランスフォーメーションは、会社の仕事や、行政だけで起きている現象ではない。私たちの生活でも起きている。実は、家事の領域でも、デジタル・トランスフォーメーションが起きている。
たとえば、この記事の中にある、リンナイの製品は、「ガス」をITの力で制御することで、服の感想や、料理の過熱を、ほぼ自動的に行える。電子レンジでできていた自動化が、ガスコンロでも使えるようになってきたのである。
一方、この記事では
「配偶者と家事を分担している」と答えた人の割合は日本が56%と、米国(93%)や韓国(87%)、ドイツ(77%)を下回った。女性に家事の負担が集中する分、時短への関心が高まっているとみられる。
と、家事の分担を家庭内の問題と考えているが、果たしてそうだろうか?
家事もデジタルの力を借りてアウトソーシング、そして効率化
実は、家事の中にもアウトソーシングできることは多い。例えば、急速に利用が増えているUberEATSが、その一例である。昭和の文脈では、「店屋物(てんやもの)」を、近所の飲食店から頼むサービスである。
しかし、この機能、深堀すると大きく異なる。今までの、飲食店の配達は、飲食店が行っていた。蕎麦屋に、そばを頼むと、蕎麦屋の店員がそばを運ぶ。結果、人気のある蕎麦屋に注文が殺到し、スタッフが足りなくなり、「そば」なのに早く届かず、「今、ちょうど出前出ました」などの会話になっていた。UberEATSでは、料理を運ぶスタッフは、飲食店の人ではなく、運ぶのを専門に行う人である。従って、飲食店は、料理を作ることに専念でき、人気が出ても、以前ほど大変にはならない。これは、デジタルの技術の力が強い。
そして、家庭の食卓にも変化をもたらす。スーパーの惣菜やコンビニのお弁当に加えて、レストランの料理のケータリングという選択肢が増えてきたのである。これは、家事の料理のアウトソーシングが増えることにつながるだろう。
このように、これからは、家事のアウトソーシングも増えていくだろう。実は、すでにECは、家事の「買い物」のアウトソーシングを行っているではないか。
これから、家庭向けの商品やサービスを検討する企業は、このような家庭にも起きているデジタル・トランスフォーメーションも、きちんと理解しないといけないだろう。
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