見出し画像

政治を、手繰り寄せる力

初めての中米渡航、グアテマラから帰国しました。

帰国してみると、日本は選挙戦真っただ中。

グアテマラではいまだ女性の地位が低く見られ、教育の機会を奪われたり発言が軽視されがち、という社会問題に触れた。この大切な問題を日本に伝えなければ、と思っていた矢先、日本の国会議員における女性の割合(約10%)が、グアテマラ(19%)よりも低いことに気が付いてしまった。

そして女性候補の応援演説での、「この6年間何をしてきたのか。一番大きな功績は子どもをつくったことだ」という自民党議員の発言が波紋を呼んでいる。

女性たちは、社会のために子どもを産むのではない。大切なのはその子が幸せに過ごせるために、どんな社会を築くのかではないだろうか。

子どもが産めない方も、産まないという選択をした方も、それぞれが尊重されながら共に生きる場をどう作り上げていくのか。そこに力を注ぐ政治を見たい。

こうして私は、女性が置かれた立場に、それぞれの候補がどんな問題意識を持っているのか、を投票行動の一つの軸にしたいと思っている。そしてそれぞれに、そんな軸がすでにあるはずなのだ。

元々私が政治に関心を持ち始めたきっかけは、LGBTの友人たちと出会ったことだった。彼女たちが生きやすい社会はどう築けるか。そう考えると少しずつ、視野が広がり始めた。他のマイノリティに対する政策や、それと矛盾するような排他的な提言はなかったか、と。

例えば進学を控えているなら、奨学金や学費負担の問題に目が向くかもしれない。長時間の労働が苦しいと感じれば、働き方をどう改革するのかを気にかけるかもしれない。

「遠い」と思われがちな政治は、実は身近からこうして手繰り寄せ考えることができる、「私」の延長線上にあるものだ。

「現状維持でよい」という言葉を時折耳にする。けれども「現状維持」さえ、”沈黙”で達成できるものではない。社会は目まぐるしく変化し、気が付けば力のある側の声が大きくなってしまう。現に政権側は、消費税の増税や改憲、確実に「変化」することを掲げている。

政治は本来、大きな声をさらに轟かせるためのものではなく、小さくても大切な声を置き去りにしないためのものだと思う。どんな立場のどんな人であろうと、「生きてていいんだ」って思える場所を築くものではないだろうか。

だからこそ投票で、”変えてほしい”ではなく”変えていきたい”を示したい。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

67

安田菜津紀(フォトジャーナリスト)

フォトジャーナリスト。東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で貧困や災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。J-WAVE「JAM THE WORLD」水曜日ニューススーパーバイザー。TBS「サンデーモーニング」コメンテーター。

COMEMO by NIKKEI

日経が推す各業界キーオピニオンリーダーたちの知見をシェアします。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 はじめての方へ→ https://bit.ly/2DZV0XM 【...
1つ のマガジンに含まれています

コメント2件

まさに、その通りだと思います。
私は思いを言葉にすることがとても苦手で、今勉強中なのですが、記事を読ませて頂き、全てに共感致しました。
いっきにたくさん色々は出来なくても、少しずつ出来ることを増やしたい。
ありがとうござます!
子供たちの写真かわいいですね。

数年前からグアテマラの男の子と文通してます。利発そうなキラキラした目の家族思いの男の子です。家のお手伝いをしていること、サッカーが好きなことなどの書かれたお手紙とても楽しみに交流してきました。

いつかカメラ片手に尋ねてみた国です。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。