見出し画像

要チェック! 「…で?」ってなっちゃう失敗プレゼン3つのパターン

お疲れさまです。メタバースクリエイターズ若宮です。
今日はちょっと「プレゼン」について書きたいと思います。


自分でも何度もハマったプレゼンの失敗ポイント

僕は起業家をしていますし、大学で教えたり講演とかも頼まれる事があるので、たぶん人よりもプレゼンテーションをする機会が多いと思います。

とくに、今年は改めてメタバースのスタートアップを立ち上げたので、プレゼンやピッチの機会が増えました。

起業家は、「なぜその事業を始め、それを通じてどう世界を変えたいのか」を伝え続けなければならないのでプレゼンは一つひとつ、とても重要な機会です。

とりわけスタートアップや市場創出型の事業の場合、必ずしも最初からみんなに理解してもらえたり共感してもらえたりするわけではなく、否定されることも沢山あります。それでも自分たちの思いを伝え続け、徐々に社会の側の価値観を変えていかなければなりません。

もちろん事業やサービスの価値を磨くことが一番大事なのですが、想いやビジョンを伝えて社会を巻き込んでいく必要もあるので、プレゼンの回数も必然的に増えます。


起業家界隈にいると他の起業家のプレゼンを聞く機会も多いのですが、いいプレゼンはやっぱり心に残るものがあります。

「プレゼンの神」こと澤円さんもよく「プレゼンテーションはプレゼント」とおっしゃっていますが、聞いた側にとっても「プレゼント」として何かを受け取ってもらえたら、そのプレゼンは成功でしょう。

これに対し、「説明」にはなっていても聞き手が受け取って心を動かされることがないと「失敗プレゼン」になってしまいます。


そうはわかっていても「言うは易し」で、やっぱりやっちゃう「プレゼンの落とし穴」みたいなのがあり、自分自身もプレゼン後にあああ失敗した…とおもったことが沢山あるのですが、失敗プレゼンって聞いた側が「…で?」となってしまうものな多い気がします。


ありがちな失敗① 「…で?要するに?」

一つ目の失敗パターンは「情報が多すぎて長く、結局要点がよく分からない」パターンです。

プレゼンを聞き終わっても「で、要するにどういうこと?」となってしまう。内容がシンプルで明確なプレゼンに対して、このパターンは一見豊富な情報が盛り込まれていますが、要点が伝わらないのです。

起業家は「エレベーターピッチ」ができないと、と言われます。エレベーターで一緒になった投資家に、降りるまでの間に自分の事業の要点を伝えるスキルです。短くてもシンプルに伝えるには、伝えたいことのコアを明確にすることが大切です。このメリハリがないと、何十枚ものスライドを重ねても、長くて要点がわからないプレゼンになってしまいます。

これはほんと基本のキくらいよく言われることですし、みなさんも「それはわかってる」と思われるでしょう。それにもかかわらず、プレゼンを聞いて「…で?要するに?」と思った経験ってみんなけっこうあるのではないでしょうか?

ということは、やっぱりこれって一番やりがちな失敗なのですよね…。


とくに大企業出身の方やコンサルタントの方では、多くの市場データや背景のスライドが示されてはいても、「で、要するに何をするのか」という本質がよくわからないプレゼンが割とあったりします。

伝えたいことが沢山あるので…!と想いが溢れて、ということもあるかもしれませんが、どちらかというと自分が伝えたいことに自信がなく、くどくど説明してしまう、というケースも多い気がします。


ありがちな失敗② 「…で?あなたの視点は?」

2つ目の失敗パターンも割に大企業やコンサル出身の方で多いかもしれません。それは「一般論ばかりで一次情報がない」というパターンです。

そうしたプレゼンは、感動や感心するポイントが少なく、話としては理解できるけど「…で?あなたの視点は何?」となってしまいます。


一般論というのは「調べればわかる」ようなことです。もちろんまったくその分野の前提知識がない場合にはその情報も役には立ちますし、ベースとして最低限必要なこともあります。しかし、一般論的は客観的に見えますどこまでいっても一般的な情報でしかありません。こればかりだと単に「お勉強」してキレイにまとめた、というプレゼンになってしまいます。でも、それは究極をいえば「誰でも語れる」ものでしかないのです。

人の心を動かすのは、一般論ではなく、「その人ならではの視点」です。現地で経験した苦労やペイン、原体験。そういう深い一次情報があってこそ、プレゼンを聞くと引き込まれます。一般論は誰も反対しない「正解」かもしれませんが、万人にとっての解ではなく多少偏った視点であっても「その人だからこそ語れること」があるからこそ、そのプレゼンは「プレゼント」になると思うのです。

(ただし、念のため言っておくと、これはただの「思いこみ」とはちがいます。それはただのひとりよがりになってしまいます。自分の思い込みの意見を押し通すのではなく、なにか「自らの足でみつけた事実」という意味での一次情報があるか?ということです)


ありがちな失敗③ 「…で?どうして欲しいの?」

最後の失敗パターンは「どうして欲しいかわからない」パターンです。

聞いた人にどんな行動をしてほしいか。プレゼンがちゃんとした「プレゼント」ならそれは聞いた人の心を動かし変化を起こすはずなので、どういう変化を望んであなたに語りかけているのか、をちゃんと伝えることも大事です。

それがないと、わかったけど「…で?どうして欲しいの?」となってしまいます。

ただ単に「内容は以上です」と終えてしまうと「説明」にとどまってしまい、それを受け取っても「で、どうしたらいいの?」と聞き手が考えなければならなくなってしまいます。


これも「ありがちな落とし穴」なのは、一つは遠慮によるものかもしれません。こうしてほしい、ということを伝えるのはちょっと不躾だとか図々しい、と思われるんじゃ…という感じや「言わぬが花」なんていう文化も日本にはあります。でも実際にはちゃんと伝えないとかえって相手側に「丸投げ」の負担になってしまいかねません。

プレゼンの中で「私はなぜあなたにこの話を聞いてほしいのか」、「この話を聞いてあなたにどんな行動を起こしてほしいのか」、いわゆるcall to actionといわれるやつですが、これもちゃんと伝える方がむしろ親切ではないでしょうか。


もっと初歩的なケースでは、単に資料を使いまわしている場合もあったりします。誰に話す時も同じことをいうわけですね。「その時伝える相手」のことをちゃんと考えなければ、やっぱり伝わりません。聞く相手にとってどんな意味があるのか、どんなプレゼントになりうるのか、それを最後にもう一度考えてみましょう。



プレゼンで陥りがちな失敗ポイントについて書きましたが、これらはすべて、僕自身もいまだにやりがちな失敗だったりします。とりわけ新しい事業の場合、まだ自信がもてないと、不安になって色々蛇足をつけてしまったり、日和って一般論になったり、遠慮してしまったりしてしまいがちです。「不安」の殻を破るのはいつも難しいのです。


プレゼンの資料や準備ができたら、

・シンプルに伝わるものになっているか?
・自分なりの視点があるか?
・聞いた相手にどうしてほしいのか?

という3点を常にチェックしてみましょう。

いいなと思ったら応援しよう!