
最近、「初音ミク」のニュースが少ないです=ドイツ
ドイツでは最近、「初音ミク」に関するニュースが減っているようです。いや、ニュースはありますが、読んでいて面白いなと思う記事を見かけなくなってしまいました。
日本国内では、グッズやイベントとのコラボなど話題性に事欠きませんし、楽曲が有名になると作曲者やイラストレーターが注目されます。
日経新聞で検索してみても関連ニュースは色々あります。
「初音ミク」と結婚した日本人の後日談
さて、米国の有力紙『ニューヨーク・タイムズ』は今年4月末に、「初音ミク」と結婚した日本人の後日談を掲載し、日本でも読まれた方もいるのではないかと思います。
この「後日談」は、元々毎日新聞が今年1月に取り上げていました。
その後、英語版も公開されて、米国にも届いたのではないかと推測できます。
「後日談」はドイツ語圏に届いたのか
この「後日談」はドイツ語圏で取り上げられたのでしょうか?くだんの『ニューヨーク・タイムズ』のような独自取材ではないですが、それらの報道や毎日新聞の記事にまで遡って報道「は」されています。
ただ、残念なのは、一般紙ではなくガジェット系やデジタル業界といった特定の分野に向けたメディアに留まっています。
最近の「初音ミク」に関するドイツ語のニュースって?
筆者は、ドイツ語圏におけるボーカロイド文化や「初音ミク」の広がりを10年以上にわたり眺めてきましたが、ここ最近のニュースと言えば、関連ゲームのダウンロードコンテンツのアップデート情報であったり、たまに日本でのコラボ関連のニュースがあるくらいで単調です。
コロナ禍により「初音ミク」の公式コンサートのリアル開催が中止、延期されオンラインに移行してしまったこともドイツのメディアが取り上げなくなった理由のひとつかもしれません。ケルン(2018年)やベルリン(2020年)で公式コンサートが開催されたときは全国的な公共放送や地元新聞など複数のメディアが報じていました。その時のメディアの取り上げ方は過去に一度、それぞれまとめています。
モヤモヤの原因は評論不足?
と、ここまで書いてみてようやく気づいたのですが、筆者のこのモヤモヤはどうやら読者も議論に参加するような評論を見かけなくなったことにどうやらありそうです。
例えば、2016年には『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』、『南ドイツ新聞』、『ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング』といったドイツ語圏の有力紙が「初音ミク」を取り上げていました。
「初音ミク」の新たな展開を期待して。。。
ドイツ語圏での「初音ミク」に関するニュースは減ってはいませんし、ゲームやグッズを購入するファンは増えているのではないかと推測します。一方で、それはファン「界隈」という閉じた世界に向けられたものでもあります。
一般誌/紙が取り上げた場合、それは「界隈」の外からの視線であり、情報は「初音ミク」を知らない人に届くことになります。そこでは敵対的な批判もあるかもしれませんが、同時に「邂逅」により全く新しいアイデアを生むこともあるかもしれません。
ドイツ語圏のニュースを見ていて最近感じていたのは、そういう期待感が薄まりつつあるという感覚の広がりなのかもしれません。コロナ禍も収まりつつある今、「初音ミク」の海外ツアーもいずれは再開することでしょう。
今後、ドイツ人たちの関心を集める展開がまた起きるのか、そしてドイツ人たちによる新たな解釈が生まれるのか、もうしばらく見守っていきたいと思います。皆さんはどう思われますか?
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タイトル画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました