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サービスを選んだ後の体験が充実してほしいなという話

携帯各社の新しい料金プランが話題ですね。携帯4社が揃って月額3,000円以下のプランを用意するなど、この春は携帯のプラン変更を検討された方も多いのではないでしょうか。

それに伴い、このように「どこがお得か?」という記事も多く見かけられます。

実際に検討する時には、このように金額などがまとめてある記事は便利なのですが、お得とは違う選択軸の話もあるといいのになぁと、この半年で2回のキャリア変更を通じて思いました。サービス契約を新たにする中での違和感を、本日は書いてみようと思います。

その1

私はもともと2015年より、いわゆる格安SIMと言われるMVNOサービスを利用していたのですが、ある大手キャリアの回線を利用することに昨年秋に決めました。

そのキャリアは、利用前の問い合わせに対してウェブサイトでのチャット対応も早く、「さすが最新のカスタマーサポート、顧客のことを考えられているなぁ」という感想を持ちました。お店に行く必要や電話をする必要もなく、さっと問題が解決したのでとても嬉しい気持ちになったのを覚えています。

しかし、実際に利用をはじめた後に再度チャットで質問をしてみると、逆の意味で驚きがありました。利用開始前にはとても早かったチャットの返答が数日かかったり、日をまたいでの返答の際に同じ質問を繰り返されたり、以前の満足した体験とはまったく逆の体験だったのです。契約後の問い合わせ数は多いと想像されるのですが、それにしても契約前と契約後でのあまりの違いに驚きました。

カスタマーサポートをしっかりとやることがサービスの満足度高めるための近道なのに、もったいないなぁと思ったことを覚えています。

その2

そんなこともあり、他にもいくつかの事情が重なり、最近またキャリア変更しました。こちらのキャリアは最近新しいサービスが始まったこともあり、契約中の問い合わせでとても混乱されていました。

「入力情報に不備があります、電話してください」というメールが届く。ただし電話はつながらず、オペレーターと話せるまで1時間以上かかるという状況。メールや問い合わせフォームなどの他の窓口がなく、とても困りました。

根気強く電話することで解決されたのですが(こういう時にAriPods ProなどのBluetooth機器があるとかけっぱなしで放置できるので便利ですね!)、この体験で感じたのは、チャットやサポートデスクなどのオンラインサポートを充実してほしいということ。

その後、そのキャリアの新規顧客向けのCMやオンラインバナーが何度も表示されるたびに、「この投資の一部をカスタマーサポート、オンラインサポートに向けてもらえるとさらによい体験を生み出せるのに、、」と複雑な気分になりました。

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上記の2つの契約体験を通じて感じたことは、新規獲得ばかりではなく、既存顧客向けサービスにさらに力を入れる会社が出てきたらおもしろいなということです。

携帯電話の場合は、通話品質や価格といった物理的な価値は大きく、まずここでの競争が大事だったと思います。ところが、近年ではこの部分での差異がほとんどなくなってきていますよね(5Gなど新しい技術が出てきているので、常に差を生み出す部分もあるかもですが…)。そうなった時には、「満足感」や「喜び」というような感情や経験の価値を含めた、CX(顧客体験)を大事にすべきだと改めて実感しました。

「売って終わりではなく、買ってもらってから始まる関係」というのは、as a Serviceの文脈で最近よく聞くと思いますが、まさに契約から関係が始まる分野において、顧客になった後の体験を重視する取り組みが増えるとサービスを選ぶ選択肢も増えていいなぁと思いました。

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そんな事を考えていたのですが、さすがに携帯各社もすでにそんなことは考えていたよという記事もありました。

KDDIが本来やりたかったのはユーザーのニーズに合わせてサービス内容や料金、機能などをカスタマイズできる新しい利用体験だ。

こちらは機能追加などがカスタマイズできるサービスのようですね。今まで契約したらそのままにしておくことが多かったと思うので、こうやって利用開始後の体験を変えようとしているのはよいですね。

これ以外にも、例えばLINEやチャットなどで時間や場所の制約なく質問できる上に、過去の自分に合わせた提案もしてくれるカスタマーサポートや、自分で簡単に答えを見つけられるオンラインのFAQなど。利用開始後の体験が一味違うサービスを提供する会社が出てきたらおもしろいなと改めて思います。

携帯電話各社の凝ったTVCMは大好きですが、その予算を少しだけでも既存の顧客向けに使うとまた違う体験が増えそうなので、今後はそのような取り組みを期待したいと思っています。


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CX(顧客体験)にフォーカスしたビジネスメディア「XD(クロスディー)」を運営しています。企業が顧客体験をよりよくするためのヒントを、様々な観点から発信しています。

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Photo by Josh Hild on Unsplash

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博報堂を経て、2015年よりプレイドに参画。現在はコミュニケーションディレクターとして、CXプラットフォーム「KARTE」のコミュニケーション領域を担当する傍ら、CXカンファレンス「CX DIVE」統括とCXにフォーカスしたメディア「XD(クロスディー)」副編集長を務める。