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語学学習教材としてのNetflix (&Youtube)~Chrome拡張機能: Language Learning with Netflix

昨日のニュースでネットフリックスの国内利用者が日本上陸から5年を経て500万人(昨年9月から1年間で200万人増加)に到達したことを目にした人も多いのではないでしょうか。新型コロナウィルスによる「巣ごもり需要」の影響もあり、先日の決算発表では世界で計1.93億人の有料購読者を獲得するに至り、過去5年間で3倍の規模へと成長しているとのことです。

そんな中、今回は語学学習教材としてのNetflixの魅力に触れてみたいと思います。

ウェブブラウザーであるChromeの拡張機能ツール「Learning Languages with Netflix(LLN)」をご存知でしょうか?私は今回初めて知ったのですが、Netflixの動画コンテンツを視聴中にオリジナル字幕と日本語字幕などを並列に表示することができる便利なツールです。また分からない単語にカーソルをあてることで単語の意味がポップアップで表示されたり、単語の発音を読み上げてくれるというものです。以下、紹介動画をご覧ください。

昨年3月のGurdianの記事によると、LLNはジンバブエ生まれのDavid Wilkinson氏とセルビア人の言語学者のOgnjen Apic氏が数年前から趣味で開発を始め、2018年12月のリリース後、現在では多くの人に利用されているツールです。
更にLLNの延長サービスとして、今年の5月には「Language Learning with YouTube BETA(LLY)」もリリースし、同様の機能がYoutubeの動画でも利用可能になってます。

その昔学生時代に英語の勉強のために昼休みに「マルチメディア・センター」と呼ばれる部屋で録画されたアメリカのニュース番組をヘッドフォンを付けながら暗い部屋で聴いて学習していたことを思い浮かべると隔世の感しかありません。LLNやLLYでは、新しく学習した単語を保存したり、翻訳対比したセンテンスの一覧を印刷したり、再度聴いてみたいフレーズをショートカットキーを押すだけで簡単に聴くことができたり、至れりつくせりの無料サービスに本当に驚きます。

エンタメとして魅力的な映画、質の高いドキュメンタリ番組が世界中で作成され、世界中に同時配信されることの意味は本当に大きいと思います。実際Netflix視聴者が海外のコンテンツを消費する際は字幕より吹替版を好む人のほうが多いそうで、現在30以上の国で製作されているNetflixオリジナル・コンテンツは30以上の言語で吹き替えバージョンが作成され、今後の世界展開のためにこうした動きは更に拡大していくとのことです。この春配信されたポッドキャスト番組『Land of The Giants ~ The Netflix Effect』によると、現在のペースでいけば、2年後には世界中で消費されるNetflixコンテンツの半分は吹替版になる、と指摘されています。

韓国ではコロナ禍を経てネットフリックスの購読者数が20倍になり、7月末に公開された以下の記事によると利用者数は日本より多い637万人とのことです。60分〜90分のドラマであれば翻訳者1人が3日間で仕上げるほどのペースで、翻訳業界に若手の人材が流入していることが紹介されています。

また、公開時期は未定ですが、中国の人気SF小説、『三体』がNetflix版ドラマとして製作されることも先日リリースされたばかりです。製作総指揮、脚本は「ゲーム・オブ・スローンズ」を手がけたプロデューサー2人が担当する、ということで、世界中の優れたコンテンツがグローバルに流通する世界がますます拡がっていくことを思うととても楽しみです。

Netflix、そしてYoutubeからも溢れんばかりの良質なコンテンツが生み出される中、今回ご紹介した翻訳ツールなども活用しながら、より多くの学びにつながり、豊かな知識や体験が拡がっていくことを願ってます。

本日英語版発売、邦訳版も10月22日に発売される、ネットフリックス社の組織カルチャーについてCEOのリード・ヘイスティング自らが記した書籍『NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX』もとても興味深そうです。ぜひ読んでみたいと思います。

Photo by CardMapr on Unsplash

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