筋トレに次ぐ愉楽、「放置料理」について語らせてほしい
COMEMOはビジネスパーソン向けのサービスなので完全に場違いかと思いつつ、
しかしこれは働く人にこそ必要かもしれないと思ったのであえて書いてみます。漫画家・谷口菜津子さんの料理漫画本「放っておくだけで、泣くほどおいしい料理ができる(ダイヤモンド社)」をひょんなことから入手したのですが、
気付けばまるでシャブ中かのように毎日無意識に本を開き、アレを作りたいコレを作りたいと妄想し、3日に1回ぐらいのペースで何かしら作る(仕込む)生活となりました。もっともっと仕込みたい……!!
仕事は裏切ることもある。でも、仕込んだハムは決して裏切らない
ビジネスパーソンで、筋トレに余念がない方は多いかと思います。
働く人が筋トレをする理由として良く話にあがるのが、「仕事における努力はうまくいくとは限らないけど、筋肉は絶対に裏切らないから」という理由。
放置料理はそれと同様の感覚で楽しめます。
肉に塩とスパイスを刷り込むなどの簡単な下処理をして、あとは放置。仕事でバタバタと忙しくしている間にも時間が味方になってくれ、肉は勝手に美味しくなり、確実に結果を出してくれます(谷口さんご本人も前書きで語っておられます)。
https://natalie.mu/comic/news/282775
仕事で摩耗した自己肯定感を爆アゲしてくれる放置料理
ルーを使わない欧風カレー、鶏もも肉のコンフィ、レモンチェッロ(お酒)、フルーツアイスケーキなどなど早速作ってみたのですが、
手順通りにさっと仕込んで寝かせるプロセスは、科学の実験のようで非常に楽しいです(電子工作の組み立てキットとか作る気持ちに似ております。プラモデル好きとかもハマるかもしれない)。
仕込んでから仕事をしていると、殺伐とした時間の流れの他に、非常に豊かな別の時間軸が生まれたようで幸せな気持ちになります。
放置したレシピが実際に美味しく仕上がると、まるで錬金術を成功させた魔術師のような気持ちになり、自分を褒め称えたくなる……
この繰り返しにより、今ではすっかり放置料理中毒者と化しました。
次は豚肉を10日間熟成させるパンチェッタを作ろうと、材料を取り寄せほくそ笑んでいます。
https://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_Cafegoogirl_226076/
憂鬱な月曜日にさっと肉を仕込み、ボロボロになりながら一週間を乗り越えたのちに美味しく仕上がったハムで今週の自分に乾杯する。クライアントからの無理難題にくじけそうな週の半ばに肉を解禁し、気力を補充する。
時間の経過を味方につけ、未来の自分にプレゼントをするような気持ちになれる放置料理。日々の仕事に疲れた時の気分転換としてぜひオススメします。