幸せをお金で買う
2014年に出版された書籍ですが、最初に読んでから何度も内容を反芻してきて、自分の体験とも合致することが多いので、ご紹介させてください。
エリザベス・ダン博士とマイケル・ノートン博士による、
「幸せをお金で買う」5つの授業 ―HAPPY MONEY
です。
稼ぎや貯金を増やそうとする時、多くの方は勉強をしようとするので、お金を稼ぐ方法を論じた書籍は山のように存在しています。
それでは、お金が増えると幸せになるのでしょうか。
お金と幸福の関係についての学術論文を1万7000編ほど調査したところ、その多くでは、稼ぎが増えても驚くほどわずかしか幸福度は高まらないと結論づけていたそうです。
そうであるならば、お金を増やす方法だけに頭を使うのではなく、お金をどう使うべきかに対しても、学ぶ姿勢が大切になります。
限りあるお金をうまく使えるようになると、幸福のためには無限に富を増殖させなければならないという強迫観念から解放されます。
二人の博士は、著書の中で、日常でのお金の使い方の選択が、生物学的・感情的影響を次々と引き起こすことを証明しています。
例えば、ものを買うことから経験を買うことへ、自分のために使うことから他人のために使うことへ、お金の使い方を移行すると、幸福度に劇的なインパクトを与えることができるそうです。
そして、幸福につながるお金の使い方を、5つの原則にまとめ上げています。
1. 経験を買う
家を買うことで住まいに対する満足度は高まっても、人生そのものの満足度には影響しないという調査結果があります。
経験の種類にもよりますが、物質的なものは、経験を買うことほど幸福をもたらさないことがわかっています。
2. ご褒美として買う
チョコレートが好きで、毎日当たり前のように食べていると、チョコレートから得られる喜びは日々減少していきます。
日常生活の中で頑張った際など、食べると感謝できるぐらいの頻度で、ご褒美として購入するとチョコレートから得られる喜びの量は維持されます。
3. 時間を買う
友人や家族と過ごすといった、自分にとって大切な時間を増やすために、お金を使うことは幸福に良い影響をもたらします。
掃除を代替してくれるロボットを購入すると、自由時間が増えるわけですから、人生の満足度は上がっていきます。
4. 先に支払ってあとで消費する
前払いをして後で消費をすると、待ちに待って手に入れたときには、まるで無料で貰えたかのような楽しい気分を味わえます。
そして、前払いは借金をさせない効用もあります。借金は幸福感に大きな悪影響を与えるため、できる限り避けるべきです。
5. 他人に投資する
他人のためにお金を使うと、自分自身にお金を使うよりも、もっと大きな幸福感が得られることが証明されており、この原則は年代や地域を超えて、広い範囲の状況で成立することがわかっています。
これらの5つ原則を意識してお金の使い方を変えていくと、より人生の満足度は高まっていきます。
特に大きな支出をする場合は「これから使おうとしているお金によって、本当に見合った幸福は得られるのだろうか?」と自問することが大切です。
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