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DXの前にKX? テレワークに必須のアクションとは

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

※ 本記事は日経朝刊投稿募集「#テレワークに効くコミュニケーション」への寄稿です。

わたしの勤務している会社では、2020年の2月末から全社員リモートワークへ移行しました。現在でも原則これを続けていますので、気づけば2年近くが経つのですね。すっかり慣れてしまった感があります。

以下は、まだ第一波の余波が残っておりリモートワークが珍しかった時期に投稿した記事です。リモートワークで成果を出すコツや原則的に他国とリモートでやり取りすることが多いグローバル企業ならではの経験談などを共有しました。その中でもいくつかキーポイントがありました。

・会社のビジョン、ミッション、カルチャー、バリューが明文化されており、その教育に並々ならぬ努力をしている。結果、日々の仕事の中でもカルチャー、バリューに照らし合わせて意思決定する癖がついている
・それぞれの役割が明確で、その内容をメンバー全員が理解している
・リモートワークを支える社内インフラが充実している(TV会議システム、メール、チャット、クラウドツール等々)
・あらゆる情報がクラウド上に載っている(組織、レポートラインからチームの紹介や関係する戦略、プロジェクトのドキュメントなど)
・社員同士が交流し仲良くなる仕組みがある(先の記事のカルチャーイベントなど)
・ミーティングで上司やチームメンバーとしっかり腹を割って話せる心理的安全性

テレワーク前提の働き方になると、仕事で関係しない人と触れ合う機会が極端に減ります。下手すると部署の数人と上司以外とはコミュニケーションをとる必要がないこともあるでしょう。オフィスで仕事をしていたときには部署とは違う概念 ー フロア、食堂や課外活動など ー が、組織図にはない線を引いてくれていました。いま考えてみれば、これは組織を越えた交流を促進するための重要な装置だと感じます。

最近では、これまではゲームの世界が中心であった仮想空間をインターネット上に構築し、オフィスのように利用するサービスが続出しています。国内では「cluster」や「oVice」のようなものです。わたしが毎年審査委員長を拝命しているハッカソンイベント「温泉でハッカソン SPAJAM」でも、表彰式をclusterで実施しました。まだまだ現実の代わりとまではいきませんが、テレビ会議の延長のようなWebinarに比べると伝わる情報が多いと感じました。

会社では「オフィスアワー」と呼ばれる「議題なし、出入り自由」という時間を定期的に設定しています。話す内容は本当にとりとめのない雑談なのですが、フルリモートでも他部署の人と交流できる貴重な場として社員に活用されています。いまではここから派生した部署ごとのオフィスアワーもできており、ちょっとした仕事の相談やブレストの場になっています。

また、腹を割って話せる人が身近にいるかどうかも、孤独感を解消するためには重要なポイントです。社内においては1on1ミーティングの質の向上に務める必要があり、そのためにはマネージャーのスキル向上が欠かせません。会社はそのためのトレーニングに投資をするべきで、eラーニングやワークショップやロールプレイなどを通じて「実践的かつ具体的な」スキル向上プログラムを用意しなければなりません。

社員の管理からマネジメントへ。デジタル・トランスフォーメーションの手前には管理職のトランスフォーメーション(KX?)が必須でしょう。

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タイトル画像提供:takeuchi masato / PIXTA(ピクスタ)

#日経COMEMO #テレワークに効くコミュニケーション

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