リモートワークで変わったことをマネジメント視点で考えてみる
今日、Plug and Play Japanでは、「新型コロナウイルスに立ち向かう100のスタートアップ」というeBookを公開しました。
グローバルチームで3月末に公開されたeBookを翻訳してBlogにまとめよう・・・という話から日本のスタートアップもたくさんいる!ということで100社思い切ってまとめてしまおう、とeBook制作の話が出たのが4月14日。そこから情報を集めて、まとめて、冊子を作って10日間。特設サイト制作も併せて本日公開することができました。
ご協力いただいたスタートアップの皆様に心から感謝します!本当にありがとうございました。そして、私にとってはここまで短期間で実現させたチームの力に改めて感動する10日間にもなりました。
Plug and Playは元々リモートワークは推奨していない企業文化なのですが、新型コロナウイルス感染拡大が始まりつつあった3月24日からリモートワークの徹底化を行ってきました。リモートワーク実施からちょうど1ヶ月、仕事の進め方もスピードも、ものすごい勢いで変化しました。
目まぐるしい10日間が終わり、昨日今日と公開されたこの記事を読んで、マネジメントとして私はどうだったのかと、プロジェクトがひと段落した今、振り返って考えてみたいと思います。
変化したコミュニケーション量
私が担当するMarketing/Communications teamは、東京に2名(+インターン2名)、京都に1名 +私の6名で構成されています。Slackでのコミュニケーションは元々それなりに活発だったのですが、リモートワークが始まって明らかにSlackでのコミュニケーションの量が増えました。
週1回のHangouts Meetを使ってのMeeting は実施していますが、細かいやりとりがSlackを通して行われています。個別での確認もなくはないですが、特に今回のeBookについては全員でやりとりした方が早いのでChannelでのやりとりの数がすごいことになっていました。
Slack のAnalyticsをみてみるとここ30日間でもダントツのメッセージ数。もっと多い会社もあるかと思いますが、この次点が1,000未満なのでかなり多かったことがデータにも現れています。(※このAnalyticsは公開されているChannelのみが計測対象です)
変化したコミュニケーション接点
先ほどチーム構成で京都チームのメンバーがいる、と書きましたが今回のリモートワークで”勤務地の違い”を感じづらくなったと思います。
京都はもちろん、シリコンバレー本社やAPACチームも、今回の新型コロナウイルス感染拡大では同じくフルリモートで仕事をしていて、かつ特設サイトやコンテンツ制作、イベント企画も協力して実施しています。本社企画のイベントもたくさんあり、時差だけが問題ですが今まで以上に情報へのアクセス、コミュニケーションの接点数が増えたと感じています。
4月頭は京都と東京と連携してウェビナーも実施したり、今までであれば「東京で」「京都で」と分かれて実施してたイベントが、オンラインになることで場所の違いを気にすることなく”一つ”のものを実施できるようになったというのは、今回の件で得ることができたポジティブな一面の一つだと思います。
5月にはAPACで連携して実施するイベントや、シリコンバレーのメンバーと実施するイベントもあり、企画や登壇者の幅が格段に広がっているのを実感しています。
変化していないマネジメント方法
私の場合、実はマネジメント方法はほとんど変わっていません。元々細かく管理するタイプではないので、この記事にあるような管理はしていません。ただ、Plug and Playの文化の一つでもあるのですが、毎朝今日やることを5つ書いて全体に共有するということをやっているので、それをみることでどんなことに今日取り組んでいるのかがわかり、カレンダーを確認することでどこで話したりすることができそうかもわかります。
ちょっと話そうか、と短いビデオ会議を入れたりSlackで個別のやりとりを加えたりはオフィス勤務時より多くなりましたが、基本的なマネジメントスタイル自体は変わっていないなと思います。
また記事の中では「チャットは一人ずつ」という提案がありましたが、実際は難しいのと複数の会話が同時に進行してたり、またチームでの会話が進行していきます。もちろん会社の文化や、その人ごとのやり方があるので「これがセオリー」というのは存在しないのだと思います。
だけど配慮は必要だと思います。ミーティングしていてお子さんが突然乱入してきたり、ご家族から話しかけられたり、荷物が届いたり、家での仕事には会社では起こらない様々なことが起こります。そして状況は少しずつ違えど”みんな”に起こることでもあります。
仕事は仕事、ではありますが環境が変われば変化が起こる”こと”も。そこには柔軟に配慮したいですね。
リモートワークは”ワーク”するのか
実は前職に転職する時、世界一周旅行のチケットを買ってしまっていて、1ヶ月だけリモートで勤務させてもらいました。そこで気づいたのが「自分だけリモート」(=他のメンバーは全員オフィスにいる)は結構精神的にきついな、ということでした。
テレビ会議を使って話すことはできるし、PRを担当していたので取材の同席も可能でした。(イースター島でも!)ただ、終了したあとのことは分からないのです。オフィスの廊下でたまたま話したことが、次のミーティングで「あの時のあの話なんですが」と切り出されると、なんのことか分からなくてちゃんと情報をキャッチアップできていなくて不安に。その不安が続くと、自分だけなぜリモートで働いているのだろう・・と思ってしまう日もありました。
ただ、今回は状況が違います。”みんな”がリモートなのです。上記で感じたような不安を感じることはほとんどありません。もちろん、個別に話していたりすることもあるので全くなくなる訳ではないですが、偶然的に起こる確率は限りなく低いのです。
もっとも、これは私の場合。リモートで仕事がしやすくなった人もいれば、そうでなくなった人もいると思います。そして今は、この状況がいつまで続くのか不安に思う人もたくさんいらっしゃると思います。
”元の”生活に戻ることを心待ちにしつつも、今回で体験してしまったことを無かったことにするということはできません。進化は必然、できないことを悲しむよりできること、できるようになったことに目を向け、仕事の仕方を改めて考えるいい機会にしてみてもいいのではないでしょうか。
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