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そもそも、大学とは何か?

 この立命館大学の取り組み、多くの大学の共通の課題に向きあっている。共通の課題とは、「学生に学ぶ力をつけさせる」という課題である。

 高度成長期の大学は、実は基礎知識を学ばせて、企業の即戦力を輩出する期間だったかもしれない。企業の求めている人材は、ある一定レベルの知識を持った、そして一様な学生を大量に欲していた。大学は、それに応えてきたと言える。

 しかし、現在企業の求めている人材像は少し異なってきた。何事にも挑戦でき、新しい事業分野を切り開く人材を求め始めている。

 そして、大学側も大学の再定義を求められている。社会に出る前の、最終学習時間で、何を伝え、何を学ばせるか。そして、学生が自ら学ぶ力、社会に出ても学ぶ力をつけさせようとしている。

知識とともに学び方を教える大学

 インターネットの普及で、実に多くの教材が私たちの周りには増えてきた。この記事にもあるように、大規模公開オンライン講座(MOOC)は、本当に良質なコンテンツを提供してくれる。知識は、このような新しい形式の教材で、貪欲に増やしていける。

 しかし、難しいのは「学び方」の学びである。新しい概念を理解しようとしたときに、躓いても、MOOCは教えてくれない。このように、学んでいる最中の支援は、今も昔も教官の仕事である。実は、大学は「知識」とともに「学び方」も教えてくれる。そして、教官は一生研究、つまり学び続ける人のモデルである。教官の「人」の「姿」を見せることは、学生には本当に学びになるはずだ。

 現在の、大学の意義、価値を再定義して、いつの時代でも強く生き、学び続けられる人材を輩出することが、今の大学に求められているのだろう。

#COMEMO #NIKKEI

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