年金繰り下げ受給の「壁」

やはり、公的年金の繰り下げを選択した場合、繰り下げ後の年金が増額することで、税・社会保障の負担率が上昇することがネックですね。5年の年金繰り下げで毎年の年金受給額は42%増えますが、税・社会保障負担が増加する点を勘案すると、手取りベースでの増額率は小さくなりますから。一連の制度設計が所得に累進的なものになっている点は、繰り下げ受給を選択する際のハードルになっていると考えられます。

また、低所得者の優遇措置が給付面にも多いこともあるでしょう。特に、多くの制度において「住民税非課税世帯」であるか否かは低所得者ラインとして頻繁に用いられています。消費税8%への引き上げ時や2016年に措置された低所得者向け給付で用いられたのもこの線引きとなっています。

高齢化の続く中で、余裕のある高齢者に負担を求める方向性についてはやむを得ない部分もありますが、年金受給を繰り下げると負担増や給付減につながりうる点は問題ありでしょう。

今後も所得のある高齢者に負担を求める改正が続けられるでしょうから、年金の繰り下げによる増額分については「特別扱い」をし、高・低所得者の判定に用いられないようにすること等も検討に値するでしょう。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36223680W8A001C1K15200/

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