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【日経連動企画】アート思考も論理思考もファッションである

検索してみたのだが、どこで日経と連動しているのかわからなかった。しかし、連動していると信じて 笑、アート思考について考える。もともとは、こちらの記事を拝見して。

で、僕の考えは、アート思考も論理思考(ロジカルシンキング)もファッションである。ここでいうファッションとは、流行、流行りもののことである。

記事の中で、アート思考の要件として、以下の3点が挙げられている。

・課題解決ではなく、自己動機から出発する
・既成概念を超えたイノベーションを目指す
・不確実性の時代に求められる

これらは、一見ロジカルシンキングと対立する要件のようにも思えるが、そうではない。ロジカルシンキングは、古くはアリストテレスやカントが世の中の不可解を自分なりに解釈したという自己動機から出発したものである。

イノベーションとは、天から降ってくるものではなく、既成概念の十分な理解の土台に生まれる。ロジカルシンキングは、新しい概念もそうだが、既存概念を論理的に理解しようとするものであり、そのように考えると、アプローチは違えども、アート思考と目指すところは同じだ。

不確実性の時代に何らかの解を得るために、価値を創出するためにロジカルシンキングは論理的に考える。アート思考がどのように考えるかは知らないのだが、不確実性の時代には(というか、ビジネスって確実な時代は一度もなく、古来よりずっと不確実な時代の中頑張っているのだが 笑)ロジカルシンキングも当然求められるものであり、必要性という点では変わりがない。

そう考えると、アート思考も論理思考(ロジカルシンキング)も目的、動機、必要性ともに変わりがないのである。では、何が違うのか?それは、流行のタイミングだ。

15年で飽きられたロジカルシンキング

論理思考はずいぶん昔から存在したし、論理学という学問も存在する。しかし、ビジネスの世界でいうロジカルシンキングが流行りだしたのは、2000年以降の外資コンサルブームからだ。2001年に『ロジカルシンキング』(照屋華子・岡田恵子, 東洋経済新報社)によってMECEなどのテクニックが広く知られるようになり、ロジカルシンキングに関するビジネス書のブームが起きた。

以来、MECE、雲雨傘など様々な(多くの場合マッキンゼーに由来する)ロジカルシンキングの手法がビジネスの現場で使われるようになった。それから15年、長きにわたりロジカルシンキングは流行した。そして、2015年以降日本でもデザインシンキングがもてはやされるようになり、アート思考もそれに続いている。

でも、ロジカルシンキングの流行は長かった。15年である。正直、よく持った。というか対抗馬がいなかった。あまりにも長く流行った思考法できっとみんな飽きていたはずだ。だから、デザインシンキングという対抗馬が現れたとき、みんな対抗馬に乗り始めた

ロジカルシンキングもアート思考もファッション

もっとも、先に検討したように、ロジカルシンキングもアート思考も目的、動機、必要性ともに変わりがない。アプローチを変えたファッションに過ぎない。なので、あと5年ほどすると、デザインシンキングもアート思考も飽きられて、そのタイミングでロジカルシンキングがこ洒落たネーミングで再度スポットライトを浴びると予想する(ここでは仮にネオロジカルシンキングと呼ぶ)。

そして、更に5年後ネオロジカルシンキングが飽きられ、ネオデザインシンキング、ネオアート思考にスポットライトが当てられると予想する。そう、ロジカルシンキングもアート思考もファッションであり、飽きられるたびに交代交代でスポットライトを浴びるのだ。

機能別組織、事業部制などファッションには暇がない

実はこれ、思考法(シンキング)だけの話ではない。ビジネスのあらゆる領域で流行り廃りがある。 機能別組織と事業部制の関係など、正にファッションだ。機能別組織とは営業、製造、人事、経理、総務などの機能別に編成された組織のことである。事業が拡大し、成長すると、事業ごとに営業先も異なるし、コスト構造も異なる。なので、「事業ごとに独立した組織にして、機動性を上げよう!」といって、事業部制に変更する。

しかし、しばらくすると同じクライアントに違う事業部で重なって営業をかけたり、各事業部に総務部門があることでダブりが生じ、コスト高になったりと問題が生じる。そこで「機能を共通化しシェアドサービスでスケールメリット、コスト削減をしよう!」といって、機能別組織に変更する。以下、振出しに戻り、永遠にループするという、正にファッションが起こる。

同じ文脈で、「事業多角化」と「選択と集中」の永遠のループも語ることができる。このように、アート思考と論理思考(ロジカルシンキング)はファッションであり、どちらを選択しても良い。というか、どちらもうまく活用すればよいだけの話であり、お互いに排除するものでもない。僕の考えは、アート思考もロジカルシンキングも、ビジネスパーソンが自分なりに使いこなせば、それでよいだろうということだ。

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名古屋商科大学ビジネススクール 教授。専門は、経営戦略、マーケティング、デジタルマーケティング、ラーメン。日経COMEMOキーオピニオンリーダー
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