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「子どもたちを守る」が意味するもの

今回は、ちょっと、想いにまかせての投稿になります。

先だって、1月7日、政府は再び東京を含む一部の地域で緊急事態宣言を出しました。ただ、今回は国も都も、保育園の休園を求めていません。


にも関わらず、一部の自治体では、保育園の登園自粛要請が出ています。在宅勤務など、子どもを家で見れる家庭はそうしてね、と。


私自身、現在娘(1歳)を保育園に預けながらの在宅勤務ですが、娘をみながら働くなんて、100億%無理です。いち保護者として、声を大にして、何度でも言いたい。

もちろん、このご時世ですから、それができる人はやったらいいと思います。でも、それはそのご家庭の自由意志に依るべきものであって、行政や保育園の側が "自主性" を求めるものであってはいけないと思います。なぜならそれは、いともたやすく実質的な "強制" へと転化してしまうからです。

「私たちは我慢してるのだから、あなたもしなさいよ」というコミュニティからの同調圧力は、それを体験したことがある人なら如何に恐ろしいものか、わかるはずです。自治体が、保育園が、それを助長してどうする……。


こんなにギャンギャン言うのは、単に「仕事が出来ない😢」ということだけではないです(それだけでも、生活がかかっているので、とてもヤバイですが)。

家庭環境によっては、保育園や幼稚園といった社会資源と接点を失った親子は、生命の危機に晒される可能性が高い、というか、本当に悔しいことですが、ほぼ確実にそうなることがわかっているからです。

DVや児童虐待の加害者と24時間、クローズドな空間にいることを意味し、被害がエスカレートします。加害者もストレスフルな状態になっており、暴力性が増していることが報告されています。これは全世界共通でみられている現象であり、日本も例外ではありません。


新型コロナウイルスの第一波で世界中の都市が緊急事態宣言を相次いで出した際、国連のグテーレス事務総長は「平和とは、戦争がない状態を意味しない」として、次のように世界中で激増しているDV被害に言及しました。

新型コロナウイルスのためにロックダウンしている都市で暮らす多くの女性が、本来最も安心なはずの場所で暴力に直面している。それは彼女たち自身の家である。

今日、私は全世界の家庭内の平和を訴えたい。

私は全ての政府に新型コロナウイルス対策と同様に、まず女性の安全を確保することを要請する。(拙訳)


児童虐待・DV対策もろくにしないまま登園自粛を要請するのは、脆弱な家庭環境にある親子を最悪の状態に追い込みうる、という認識が、登園自粛を要請している行政や保育園にあるのか、疑問に思うのです。しかも、繰り返しますが、今回は、国や都がそれを求めていません。完全に、過剰かつ拙速な自粛要請だと思わざるを得ません。

という背景があり、私たちフローレンスは登園自粛をやめるよう、情報発信をし、政治行政に働きかけをしているわけですが、そうすると、様々な反対意見が寄せられます。

「保育園だって混乱しているのだ。本当に、現場のこと何もわかってない」

「こんなご時世なんだから、ひとりひとりが少しづつ我慢したらいいじゃないか」

フローレンスは、保育園を運営しています。私も部署こそ違えど、仲間たちがすぐ近くで頭を抱えながらこの窮地を如何に乗り切るか、喧々諤々議論して、悩みながら行動している姿を目の当たりにしています。現場のことがわかっていないハズがありません。

でも一方で、それぞれの地域の行政や園によっては環境や条件が異なりますし、やっぱり私たちフローレンスがわかっていない、という場合もあると思います。少なくとも、その当事者の方々の視点からしたらそうかもしれない。

ここで私たちが「登園自粛なんてとんでもない」と情報発信することが、その人たちに不快な思いをさせてしまうことも、きっとあるに違いありません。

この問題に関わる "みんな" の立場や都合を慮り、余計なことは言わず、粛々と自分たちの仕事に注力していれば、いいのかもしれない。

でも、これだけは言わせてほしい、苦しい環境にいる親子の立場や都合はどこに行ったのか、と。

脆弱な家庭環境にいる親子、とりわけ子どもは、その窮状を社会に訴えることが出来ません。耳を澄ましても、声が聞こえないんです。だから、このままにしておくと、社会から無視されてしまう、なかったことにされてしまう。

辛いこと、苦しいことは誰だっていやです。でもそれを、声を出せない、立場の弱い人たちに押し付けて解決しようとするなんて、どうかしている。

だから、誰かが、例え周囲の大人たちからバッシングされても、嫌われても、この親子の声なき声を、大声で社会に伝えないといけないんじゃないか、と私は思っています。それがフローレンスの仕事だと思っています。

医師会は、医師たちを守ります。労働組合は、労働者を守るでしょう。経営者は、事業やスタッフの雇用を守ります。

子どもは、大人が守りませんか。


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マーケター / 認定NPO法人フローレンス 代表室。著書『パパの家庭進出が ニッポンを変えるのだ!』 ▶︎ http://amzn.to/2QTNtCn 。前職はリクルートHDの新規事業開発室でプロダクトマネージャー。慶応義塾大学総合政策学部中退。妻と娘と三人暮らし