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オペラに学ぶ、非正規の力

日経COMEMOで、 #非正規の力をどう生かす  という、テーマ企画があったので、私もこの機会に、なぜ現在、フリーターを選んでいるのかを考えてみたいと思います。


オペラって、正規と非正規のハーモニーですよね

 私は、オペラが好きで良く見に行きます。東京なので、初台にある新国立オペラ劇場に年に数回行きます。このオペラという芸術、歴史がありますよね。そして、マネージメント的に言えば、近代企業より、多くの時間を経験して、総合芸術を今に残して、私たちを楽しませてくれています。


 オペラでは、実に多くの人がかかわります。舞台から見えているのは、歌い手、コーラス、オーケストラ。裏方にも、舞台、衣装など多くの関係者がいます。

 このオペラ、現代企業で議論している、非正規と正規社員の組み合わせです。歌い手は、ほぼ「非正規」の契約社員です。その契約は有名な歌手の場合、数年前に契約です。オーケストラは劇場ごとに、決まったオーケストラが担当することが多く、「正規」社員に近いでしょう。

 これは、単純に話すと、その演目が得意な「非正規」の歌手と、その劇場に詳しい「正規」のオーケストラの組み合わせということになるのでしょうか。

会社・雇用主を主語とした区分「正規」「非正規」

 この例から考えると、「正規」「非正規」は、能力の差ではなく、得意な能力の違いなのではないでしょうか?たまたま、今はその会社に詳しく会社に長くいる人を「正規」社員としており、会社との契約は短期だがそのことに詳しい人が「非正規」雇用になっているのではないでしょうか?

 一つの整理としては、「非正規の方は、正社員にはない高度なスキルを身につけて優秀なギグワーカーとして働く」ということでしょうか。ではないかと考えるのです。

 もちろん、このようにきれいな話ではなく、「正規」社員として契約したいが、「非正規雇用」として短期雇用したいという目的も存在していると思います。しかし、それは市場に労働者が潤沢にいる時の話であり、日本には当てはまらなくなりつつあるのではないでしょうか。

「非正規」と契約できない会社は、問題になる

 私の考えは、むしろこれからは「非正規」雇用は増えると思っています。オペラのように、1流の歌手を呼んだほうが、良い演目になるというのは、皆さんも理解できる話でしょう。

 今回、世界で感染症の問題と戦っています。ここで、多くの会社はテレワークを行いたかったのでしょうが、会社に専門家がいなかったので、対応できない企業がたくさん出ました。「非正規」で契約すれば良いのです。

 ある程度、感染症が収まっても、今度は産業医が大変です。ある一定の割合で、出勤に恐れを感じる社員が、一時期増えるでしょう。つまり、産業医の役割も、より心理・精神的な問題への対応が増えるはずです。だったら、「非正規」で雇用すべきでしょう。

 しかし、問題は「非正規」雇用したいプロを、きちんと契約できるだけの余裕がその会社にあるか。オペラの歌手のように、計画的に少し先の非正規雇用までを、会社の経営者が判断できるか。という問題があります。

 むしろ、今までの人事は、会社に何人採用して、何人残すのかということが最重要課題でした。しかし、これからは確実に「正規」と「非正規」の組み合わせになるはずであり、この「非正規」社員の計画という問題は、新しい人事のテーマになるのでしょう。

 これから、私たちの社会は、大きな変化を迎えます。この時に、「非正規」雇用により、その専門家を雇用できない会社は、むしろ変化を乗り越えられないのではないでしょうか。

まずは、オペラを見に行きましょう

 まずは、この感染症の問題が終息したら、オペラという総合芸術を見に行きましょう。そして、感動してください。そして、その裏には、すでに芸術の世界では、この「正規」「非正規」という問題は、乗り越えていることを感じてください。

 

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本間 充 マーケティングサイエンスラボ所長/アビームコンサルティング顧問

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1992年花王入社、デジタル・マーケティングを牽引。以後、コンサルタントとしてマーケティングのデジタル化を支援。ビジネスブレークスルー大学講師、東京大学大学院数理科学研究科客員教授、事業構想大学院大学客員教授 マーケティングサイエンスラボ(mslabo.org)所長