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スマホは大画面から折りたたみへ。トレンドからみる機能進化の行き着く先とは?

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。この時期になると、携帯業界のみなさんがこぞってスペイン・バルセロナに行きます。毎年開かれる業界最大の展示会である「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」に参加するためです。

■ 成熟期を迎えて減速する、世界のスマホ市場

高速なCPU、メモリやストレージの増加、高精細・大画面化など、かつてパソコンやガラケーが辿った進化の歴史を、ふたたび繰り返しているようにも見えます。その背景には、ここ2年にわたり世界のスマホの出荷台数がマイナス成長になっていることがあります。新たな軸で市場をふたたび活性化させようという狙いです。

米調査会社のIDCによれば、世界のスマホの出荷台数は18年に前年比4%減の約14億台にとどまり、2年連続でマイナスとなった。業界では「フォルダブル」と呼ばれる折り畳みスマホが、停滞する市場を活気づかせる「カンフル剤」になると期待されている。ただ普及に向けては、端末の価格や、折り畳み式ならではの使い勝手を提示できるかといった課題もある。

■ 突然の「折りたたみスマホブーム」の到来

そんな中で突如として、折りたたみスマホの発表が相次ぎました。

各社が長らく研究開発していた「曲がる有機ELパネル」が、ついに実用化段階に達したからです。液晶の時代から日中韓のメーカーが熾烈な開発競争を繰り広げていました。有機ELで言えば、韓国ではサムスン、LG。そして中国ではBOE Technology Group(京東方科技集団)が市場をリードしています。実用化に成功したのでまずは自社製品から搭載し、今後は研究開発費を回収するため様々なメーカーにOEM提供がなされるでしょう。

スマホや家電には様々な部品が使用されていますが、もちろんすべてを自社でまかなっているところはありません。CPUはQualcomm、液晶はLGなど、部材メーカーから調達してハード・ソフトともに自社技術と組み合わせながら開発しています。今後は「曲がる有機ELパネル」を活用した製品が、いろいろなところで見られるでしょう。

■ 機能競争の行き着く先は?

一方で、いわゆるスペック競争が続いた先には何があるのでしょうか? 2000〜2010年の間、日本は世界でも類を見ない最新デバイスでモバイル市場をリードしていました。そう、ガラケーです。

この時代の新機種には「世界初」の文字が踊っていました。世界初のカメラ内蔵携帯、世界初の3D表示、世界初のTV搭載(ワンセグ)等々、、、枚挙にいとまがありません。メーカーが多機能競争をしている間にユーザーからすると「違いがよくわからない」状況になり、安さ(0円ケータイ)だけが差別化要素になっていきました。折りたたみスマホという新機能がどこまでユーザーに受け入れられるかは未知数ですが、スマホの現状は機種というよりはOSの違い、つまりiOSかAndroidか?くらいしか違いがわからなくなってきているように思えます。

こうなると、あとは価格競争を待つばかり。そして「スマホの次」の登場も間近なのかなと思います。

■ スマホの次はなにか?

では、スマホの次とはなんでしょうか? 個人的に注目しているのは、Amazon EchoやGoogle Homeに代表される音声デバイス。もう少し長い目で見ると、MR(Mixed Reality。複合現実)デバイスです。

モバイルインターネットの進化の歴史を見ると、大きな進化をするときには「どの自由度を高めるか。そして、それがユーザーに受け入れられるか」がキーになっていると考えています。

・PC → ガラケー 「インターネットをする場所を自由に」
・ガラケー → スマートフォン 「ソフトウエアを自由に」

そう考えると、次はなにを自由にしてくれるのか? 私は、


・スマートフォン → 次のなにか 「を自由に」

してくれるのはないか、と思います。

■ まとめ

いかがだったでしょうか? 今回の話をまとめると、以下の5点です。

・スマホ市場は成熟し、すでにマイナス成長に
・各社がこぞって新たな軸を提案。それが「折りたたみスマホ」
・機能競争は成熟市場の証。時代は着実に「スマホの次」に足を踏み入れている
・モバイルインターネットの進化は「何を自由にするのか」
・「手を自由に」するものが次の市場を制す。かも。

「スマホの次」がこんなものだったらいいなぁ!というアイデアがありましたら、ぜひコメントしてくださいね。はやくHololens2を使ってみたいなぁ。。。

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タイトル画像提供: Scanrail / PIXTA(ピクスタ)

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