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オンライン商談が苦手な人の「思い込み」と、効果的なスキルアップ法

緊急事態宣言が解除されましたが、withコロナの働き方として、リモートワークの定着に関する議論が盛んです。日経新聞でも、欧米では在宅勤務が標準になってくるという記事が出ていました。

在宅勤務が当たり前になると、営業パーソンにとっては「オンライン商談」の機会が増えます。しかし、画面越しに行う商談に対して、苦手意識を唱える営業の方は多いようです。

私自身、この3ヶ月で3000人ほどの営業パーソンと対話を重ねるうちに、オンライン商談が苦手という方の原因が見えてきました。それは対面商談の延長にオンライン商談を置いているという前提です。慣れた対面商談の感覚でオンライン商談をやろうとすると、色々なやりづらさを感じるわけですね。

しかし、対面商談のようにオンライン商談をしなければいけないというのは思い込みです。オンライン商談のレベルを上げるには、対面商談の延長ではなく、メール+電話商談の延長にオンライン商談を置くという感覚が重要になります。

なぜメール+電話商談の延長なのか?具体的にどうやるのか?これから解説していきます。

オンライン商談は「言語領域」がメイン

オンライン商談では、対面商談に比べて言語領域のウェイトが大きくなります。

言語領域というのは、やりとりする会話や文章の内容そのものです。一方で非言語領域というのは、表情や声のトーン、身振り手振りによるニュアンス、服装や容姿からの印象などを指します。

営業をされている方であれば「人の印象を左右するのは、視覚・聴覚情報からが93%、言語情報からが7%」というメラビアンの法則について聞いたことがあるでしょう。

しかし、メラビアンの法則の実験内容は、調べればすぐにわかりますが、「好意」「嫌悪」「中立」について矛盾した情報を与えたときに、視覚・聴覚・言語のどれを優先して受け止めるかというものです。「コミュニケーションは非言語領域で93%が決まる」という意味ではありません。誤解されている方が多いので注意が必要です。

オンライン商談では、画面を隔てた向こう側にお客様がいて、視覚・聴覚情報がかなり制限されるため、コミュニケーションが言語領域に依存する割合が大きくなります。

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オンライン商談では、お客様の反応が薄くなる

非言語領域の情報が限られるオンライン商談では、「お客様の反応や空気感がわからない」のように戸惑う営業の声を沢山聞きます。

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一通り商品説明やプレゼンテーションをした後、「ここまでのところで何かご質問はありませんか?」と尋ねると、「いえ、大丈夫です」というお客様からの返答。これは、提案内容に納得されているということなのか?それともプレゼンがまったく響いていないのか?つかめないままに商談が終わってしまうこともしばしばです。

従来の対面商談であれば、すぐそばで相手の反応を確かめられます。「お客様は”大丈夫です”とはおっしゃったが、表情がすっきりしていない。何か気になることがあるのでは?」といったことを素早く察知することができます。しかし、オンライン商談では、相手の表情や雰囲気で察知し、対応するということがやりづらくなるのです。

では、いったいどうしたらよいのでしょうか?

発想を逆転させ、「電話+メール」の商談力を磨く

オンライン商談は言語領域がメインであり、相手の表情や雰囲気で察知することが困難です。そこで、オンライン商談が苦手な方に私がお勧めしたいのは、電話+メール商談の力を磨くことです。

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私が推奨したいのは、たとえば10分の電話を、あたかも商談アポのように設定し、そこでなるべく意味のある会話をすることです。お客様との電話といえば、簡潔な用事のやり取りしか行わない営業の方もいますが、それはもったいない話です。

オンライン商談で要求されるスキルと、「電話で意味のあるやり取りをする」ことに求められる力は、共通点があります。電話は相手の顔を見ずに、言語情報だけでやり取りをするコミュニケーション手段なのです。

電話の会話で、お客様に必要なことを伝えたり、課題やお悩みをヒアリングすることにトライしてみると、例えば10分ほどの電話でもかなりの意思疎通を図れることに気づきます。

例えば、お客様と電話の用件が発生したとき、「明日の10時30分に電話差し上げてもよろしいですか」のように打診します。「いいですよ」と返事を頂いたら、すぐにメールで「明日の10時30分にお電話差し上げます。お電話上で、ちょっとした資料をご覧頂きながらお話したいのですが、その時間はPC画面の前にいらっしゃいますか?」のように送っておきます。

既にベルフェイスなどのツールを使用されている方は、こういったやり取りを行われているでしょう。ただ、私がお勧めしたいのは、そういった商談ツールを使わない通常の電話でも、なるべく、商談アポのように「資料やメールを見て頂きながら電話するという機会を自分とお客様との間に増やしていくことです。

電話をアポのように設定できたら、短い時間とはいえ落ち着いてお客様とお話できます。次は、短い時間の中でいかに核心の部分を話して頂くことにトライします。数分の会話の中に、お客様から現状への不満や悩みが出てきたら、「今おっしゃったこと、もう少し詳しく伺ってもよいですか?」のように、電話口であったとしても深掘りして聞くことが重要です。

そうすると、お客様から悩みや不満の詳細が出てきます。これは貴重な情報です。伺ったキーワードについて、抜け漏れや優先順位を確認します。そして、確認したポイントをまとめて、電話が終わったあとにすぐメールで送付します。もしできれば、お客さまから電話で伺った内容について、関連するお役立ち情報などお送りできると望ましいです。

これによって、お客様からすると「わかってくれる営業だ」と感じやすくなります。自分がポロっと言ったら、すぐそれに対するリアクションが来るわけですから、打てば響くということです。

オンライン商談では、よく「お客様と関係を築くのが難しい」と言われます。しかし、電話+メールのレベルを上げることによって、言語情報のやり取りからプラスの印象を持って頂くのは十分に可能なのです。プラスの印象を持って頂ければ、接点を増やしながら、徐々に関係を深めていくことができます。

メール一本を送るのにも、箇条書きを番号で振っておいたりすると、さらにその後、電話で話すときにも「1番のことなのですが・・・」のように、阿吽の呼吸も作りやすくなります。これは、相手の顔が見えていなくともできることです。

こうやって、電話+メール商談の力を磨いていくと、オンライン商談への苦手意識も克服できます。非言語領域に左右されず、商談のクオリティを上げられるわけです。

これから、オンライン商談の機会はますます増えていきますから、ぜひ皆さんも、電話+メールのレベルを上げて、オンライン商談を武器にしていきましょう。


#COMEMO #NIKKEI

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「人と組織の成長を科学する」をテーマに、教育事業や組織開発で15年ほど活動しています。 最近はスタートアップの支援も。TORiX株式会社代表取締役( http://torix-corp.com/ )。コンペ8年無敗の経験をもとに、2019年『無敗営業』出版(4ヶ月で3.5万部)

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