行動経済学とAIと相田みつを
2017年にノーベル経済学賞を受賞された、リチャード・セイラー教授が来日され、その講演をお聞きし、会食させていただいた。
ここで、セイラー教授が、相田みつをさんの言葉をたびたび引用されているのが印象的だった。例えば
「つまづいたって いいじゃないか にんげんだもの」
人間は、いわゆる合理的な経済人とは違うことを追求するのが行動経済学である。セイラー教授には、この言葉が大変響いていた。
これに刺激され、私には、これは、AI時代の人間のあるべき姿を表現しているように見えた。
これまで我々はルールを作り、それをしっかり守ることをよしとする社会を作ってきた。しかし、変化や多様性を包含するのに、この考え方には限界がある。だからAIやデータが必要なのである。我々が、未知の変化や多様な考え方やニーズに応える新しい生き方がAIやデータの活用である。
しかし、技術だけがあってもだめだ。上記の相田みつをさんの言葉のような、やってみて、つまづくことを奨励する社会にならないと、AIやデータが使いこなせない。
セイラーさんは、過去40年にわたり、合理的経済人のモデルと闘ってきたと聞いた。
未知の変化や多様性を育む新しい社会への闘いは始まったばかりだ。
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