新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として 厚生労働省 首相官邸 のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

「自宅」が安全ではない人たち、「移動」しなければ生きられない人たち

新型コロナウイルスの影響で、休校や外出自粛の要請が続いています。

確かに、感染拡大の観点から見れば、自宅で待機することは一定の効果があるのかもしれません。ただ、自宅に居場所を見いだせない、もしくは自宅にいることが、却って身を危険に晒してしまうケースもあります。虐待やDVなどのケースです。

年間100人以上がDVで亡くなっているフランスで警鐘が鳴らされている他、オーストリアでは24時間の相談体制強化が表明されています。日本でもこうした支援が、ウイルスへの対策と同時に急務でしょう。

ユニセフからも、「世界中の何億人もの子どもたちが、虐待やジェンダーに基づく暴力、搾取、社会的排除、保護者からの引き離しなど、安全と健康に対する脅威の増大に直面するおそれがある」、「この感染症の影響はさまざまな形で、直接の感染者をはるかに超えて子どもたちや家族に広がっている」と声明が発表されています。

危機に直面しているのは家庭内の目が届きづらい問題だけではありません。

各国が国境を閉ざす中、難民として逃れようとする人々にとっては、ますます厳しい状況となってしまいました。

ウイルスの場合、移動しないことで守れる命があるかもしれません。けれども戦争や迫害は、移動しなければ守れない命があります。

各国、難民として逃れようとする方々には、検疫などを通して、継続的な対応が求められてくるはずです。

同時に、国連のグテレス事務総長は、こうした事態での停戦を呼びかけています。難民を生み出す、そもそもの”要因”をなくしていくべきだ、と。

先日、新型コロナウイルスの影響で、移動が制限されたり隔離されたりすることについて、パレスチナ・ガザ地区の友人から「そんなの私たちは毎日よ」とメッセージが届きました。こうした制限は人権や生活に大いに影響を及ぼすものですが、見上げるような壁に囲まれ、自由な出入りさえ許されないガザでは、「日常」なのです。なおかつ彼らの場合は、逃げ場のない中で突如爆撃に見舞われたりと、「天井のない監獄」で生き続けることを余儀なくされています。

世界の至るところで不安が広がり続けてる最中ですが、だからこそ最も危機のあおりを受けてしまう人々のことを軸に、これからを考えるべきではないでしょうか。

追記:

2020年3月27日、昨年2019年の難民認定者の人数が法務省から発表されました。

2019年は44人、人数としては2018年の42人(認定率約0.3%)とほとんど変わっていません。

難民問題が伝えられる中で、時折受け入れに関して「負担の分担」という言葉が使われます。けれども難民を生み出してしまう戦争や迫害を各国が止められない以上、それは「負担の分担」ではなく、「責任の分担」です。その責任にはもちろん、認定に高いハードルを課してきた日本も含まれるはずです。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

75
フォトジャーナリスト。国内外で貧困、難民問題の取材を続ける。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。J-WAVE「JAM THE WORLD」水曜日ニューススーパーバイザー。TBS「サンデーモーニング」コメンテーター。 https://d4p.world/