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やる気があると何だって速攻で進んじゃうワクワク感満載の典型例:楽天メディカル

まずは今回の主役の楽天メディカルと光免疫療法の概要から始めます。

楽天メディカル社について
楽天メディカル社(本社:アメリカ カリフォルニア州 サンマテオ)は、独占的ライセンスを有する光免疫療法(PIT)プラットフォームをもとにした、がん細胞に対し選択性に優れた治療法を開発している総合バイオテクノロジー企業です。がんを克服するというミッションのため、治療法の研究開発から世界中のがん患者さんへ治療法を届けるまでを一貫して実現することを目指している。

さて、この会社は2011年に設立されたアスピリアン・セラピューティクス社が前身となっていて、楽天からの出資により楽天アスピリアンと改名し、
その後楽天社長の三木谷氏個人から168億円の出資(筆頭株主)、
さらなる楽天からの出資により楽天メディカルに現在落ち着いています。

そして2019年5月には日本で、
第一種医薬品製造販売業および第一種医療機器製造販売業の業許可を取得

2019年8月には楽天からの追加出資(1億ドル)を受け入れ、楽天グループによる楽天メディカル社への出資比率は22.6%(発行済株式総数比)となり、楽天の持分法適用会社となりました。

ビジネスの世界だと当たり前のスピード感だとは思うものの、
三木谷氏個人の熱い思い(お父様をすい臓がんで亡くされている)がかなり入っているためさらなるスピード感となっているように感じます。
以下に、光免疫治療を開発した、米国立衛生研究所(NIH)の主任研究員、小林久隆先生と三木谷氏の対談を載せておきます。

https://rakuten.today/mickeyvoice-ja/aspyrian-cancer-treatment-j.html?lang=ja


で、この楽天メディカルの扱う光免疫療法がとても面白い技術。

光免疫療法(PIT;Photoimmunotherapy)について
 光免疫療法は、抗体によりがん細胞を選択的に標的化し、レーザーによってがん細胞を速やかに壊死させる治療法です。これは、生物学と物理学の双方のメカニズムを組み合わせた革新的な方法です。がん細胞を正確かつ迅速に壊死させる一方で、正常組織にはわずかな影響しか及ぼしません。
 現在開発中のセツキシマブとIRDye®700DX の複合体であるASP-1929は、頭頸部がん、食道がん、肺がん、結腸がん、すい臓がんなど様々な種類の固形がんに発現するがん抗原、上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とします。ASP-1929は、がん細胞と結合後、独占的ライセンスをもつレーザー機と光ファイバーにより照射された非熱性赤色光により、局所的に活性化されます。この治療法は、周囲の正常な組織ではなく、がん細胞を標的としています。

この技術は本当に面白い。
考案者の米国立衛生研究所(NIH)・国立がん研究所の小林久隆氏への
インタビューを読んでワクワクしちゃいました。

 細胞の膜の上にある、がん細胞だけが持つ抗原たんぱく質に抗体がくっついた状態で光を当てると、化合物の構造が変わってその影響で抗体の形が崩れ、抗原たんぱく質が細胞膜から浮いたような状態になって、最終的には細胞が死んでしまう。化合物自体が細胞を攻撃するわけではないので、光を当てなければ何も作用しない。
 抗体が抗原にくっついていて、かつ光を当てた時にだけ作用をするので、がん細胞だけを殺せる非常に安全性の高い治療法になると考えている。抗体に化合物をくっつけた抗がん剤は他にもあるが、それらはがん細胞を攻撃する化合物を使っているので投与量を増やすと副作用が生じる可能性がある。

光を当てた抗体の形が変わって、くっついていた細胞が死ぬ。
そして何より面白のが以下の部分!

最終的にはがん細胞は破裂して、中にあった様々なたんぱく質がそのまま出てくる。光を当てるだけで熱を加えるわけではないので、出てきたたんぱく質はもともとの形のままで周囲にある免疫細胞を教育して、がん細胞に対する免疫力を活性化することができる。放射線治療など他の治療法では免疫を衰えさせてしまうが、この治療法はがん細胞の周りにある免疫を活性化させられるのが特徴だ。

死んだがん細胞から出てくるタンパク質がキーで、がん細胞に特徴的な標的となりうるタンパク質が含まれていてこれを周囲にいる樹状細胞がタンパク質を取り込み、それをT細胞に提示することにより今後そのタンパク質に対しては免疫系が働くことになり、転移も抑えられることになります。
免疫学と工学の融合による画期的な治療法です。

また個人的にもNCIに留学していたこともあり、とても嬉しい気持ちです。
NCIでは色々なプロジェクトがあるなかで、同じ日本人の研究成果が
がんで苦しむ方々の希望の光になるというのは本当に誇らしいです。

上記リンクの図2に治療メカニズムについての分かりやすい絵がありますので、ご興味があれば見て下さい。

とにかく、有望な技術ですし、それによりすい臓がんといった難治性がんの
治療にも糸口が出てくる可能性も高いので、かなり注目されています。

そこに個人の思いもある三木谷氏がかなり前のめりで関わることにより、
研究・開発のスピードが加速しています。

すでにPhase3も始まっていますので、良い結果が得られれば患者さんに届くのも時間の問題かなと思います。進捗が待ち遠しいです!


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74年神奈川生まれ。子供時代に科学雑誌「Newton」を読み、宇宙飛行士を志す(963人から230人に残るが落選)。日米で免疫学を研究、製薬企業5年、トムソン・ロイターで5年勤務。現在は製薬会社にデータを提供する仕事。サイエンスの気になるニュースも発信します!

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