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いまこそ、勇気を持って「リアルイベントの開催を見送る」決断を。

「対応が後手後手に回っている」と各所で指摘され続けて来た日本政府でしたが、ついに今日、こんな発表が出ました。

この報道を受けて、これまでは「開催を決行」する予定だったイベントオーナーも次々とイベント中止を意思決定。

僕もこれまでは、数十人規模のイベントは「中止・延期またはオンライン開催」に切り替え、10人以下であれば「開催」という判断基準でしたが、僕が主催するイベントはすべて「中止またはオンライン開催」、僕のクライアントが主催するイベントについても「中止またはオンライン開催」を提案する、という決断をしました。

僕は、仕事の特性上、イベントやセミナー・研修に登壇をしてフィーをいただくことも比較的多く、今回の騒動で100万円近くの売上ダウンになっています。「たかが100万円」と思われるかもしれませんが、零細企業にとっては決して小さくないインパクトでして、正直しんどいです。

それでも、イベント開催を見送るべき理由。

そういうわけで、僕自身忸怩たる思いをしているのですが、それでもなお、「できる限りイベント開催は見送るべき」だと思っています。

それはなぜか。

それは、「ピークカットにより、感染爆発や医療崩壊を防ぐため」にほかなりません。

以下の記事にもある通り、最悪のケースは「国内の医療崩壊」です。

今後、日本での感染拡大にともなう最悪のケースは「日本での医療崩壊が起こり、救える命が救えなくなる場合」だ。
「現時点で分かっている限り、新型コロナウイルスに感染しても、高齢者や既往歴がある人でなければ重症化する可能性は低い。ただし、数は少ないものの比較的若く健康な人の死亡例も報告されているので、健康な人であっても注意は必要です。
だからこそ、本当に医療が必要な人に対して医療を提供できるような状況を整えなければいけません。日本の高い医療水準において、地域の医療現場が踏ん張ることができれば、重症者への対応はできるはずです」(押谷教授)

「新型コロナウイルスに感染しても、高齢者や既往歴がある人でなければ重症化する可能性は低い」とある通り、正直当初は「騒ぎ過ぎでは?」と思っていました。今でも、コロナウイルスによってわが家が危機的な状況に陥ることは想定しづらい、と思っています。

しかし「日本での医療崩壊が起こり、救える命が救えなくなる」ことは絶対に絶対に避けなくてはなりません。

そのために、「感染源・感染経路になりうる場や機会」は可能な限りゼロにするという意識を一人でも多くのイベント主催者が持つ必要があります。仮に10人未満の小規模のイベントだったとしても。

もちろん、仮にあらゆるイベントの開催が見送られたとしても、引き続き満員電車は走り続けているし、飲食店や小売店などサービス業はリモートワークは不可能なため、感染源・感染経路を完璧に断つことは不可能でしょう。

それでも、「不要不急な場合を除き、複数の人が集まる場を可能な限りゼロにする」ことは、ピークカットをする上では有用だと思います。

ピークカットとは、上記の記事の通り「流行のピークを下げる」こと。

(引用元:日本経済新聞電子版

患者数が急増すると、医療体制を強化しても治療ができない事態に陥る。そのため加藤厚労相は集団感染の防止などに対策を切り替えることで「流行のピークを引き下げたい」と訴えた。流行のピークを抑えられれば、その間に医療体制を強化し、病床不足を防いだりできるとしている。

こちらの記事(韓国語ですが、Google翻訳曰く大邱・慶尚北道地域の病院はコロナウイルスの患者で溢れかえっており、一般の患者が7つの病院で受け入れを拒否された結果死亡してしまった、というニュース)によれば、お隣の韓国ではすでに感染爆発による医療崩壊がはじまっている模様です。いつ収束するかもわかりません。

「イベントの開催を見送れば、必ずピークカットが実現でき、医療崩壊を防ぐことができる」ことが確約できるわけではもちろんありませんが、確率論で言えば、大小問わず同時多発的にあらゆるところでイベントが繰り広げられている状態よりは、ピークカットできる可能性は高まるでしょう。

なので、イベントを主催する皆様におかれましては、可能な限り、勇気を持ってイベント開催を見送る決断をしてほしい、と思っています。

「オンライン開催」という選択肢。

既に多くの方がnoteなどで発信されているので「いまさら」感はあるかと思いますが、「開催 or 中止」の二択ではなく、「オンライン開催」という第三の選択肢もぜひ検討してほしいです。

上記のツイートの通り、今日はじめて「完全オンライン開催」でイベントに登壇したのですが、オンライン開催に切り替えたことによって参加申し込み人数が当初から倍増(28人→48人)するというサプライズがありました。

「オンラインだとオーディエンスの表情や反応が見れないからやりにくいかな…」など、ネガティブな想定をしていたのですが、実際に「完全オンライン型イベント」に登壇してみて思ったのは、想像していたよりもはるかに違和感なくやれる、ということでした。

自宅のデスク環境でやれるので、イベントに登壇しながらPC・スマホ・iPadのトリプルディスプレイで、Zoomの画面やTwitterのタイムラインを眺めたり、時にはツイートしたりなど、同時並行でいろいろできるのは、オンライン登壇ならではだなと。

イベント参加者目線でどうか?についてはアンケートの集計結果を見るまではなんとも言えませんが、数人に聞いた限りではリアルイベントと比べても全く遜色ない、とのことでした。

イベントと一口に言っても、今回のように登壇者から参加者に対してノウハウ・ナレッジをお届けするタイプのイベントなのか、交流・懇親をメインとしたミートアップなのか、によっても全然異なるので、十把一絡げに「オンライン開催すべし」とは思いませんが、かなり有効な選択肢であることは間違いありません。

オンライン開催のハウツーについてはこちらのnoteに詳しいです。参考までにどうぞ。

そうはいっても、、、

さて、本題に話を戻しますが、上記で「可能な限り、勇気を持ってイベント開催を見送る決断をしてほしい」と表現したのには、ワケがあります。

これは、僕自身がイベント主催者の当事者だからこそわかるのですが、「イベントの開催を見送る」というのは、当然大きな痛みを伴います。

イベントをキャンセルする場合、「本来行われるはずだった興行が行われない」ことになるので、「発生するキャンセル料を誰が負担するのか?」という観点で必然的に以下の三択を迫られます。

①参加者が負担する(「東京マラソン」など参加費が参加者に返金されないパターン)
②主催者が負担する(参加者に参加料を返金するが、会場代などの支払いは発生するパターン)
③会場側が負担する(会場代を主催者に返金するパターン)

いずれにしても、相当しんどいですよね。。。

PerfumeやEXILEが本日開催のドーム公演を中止を発表しましたが、どちらのパターンに転んだとしても損失は計り知れません。

株式市場を見ても、博展ヒビノなどイベント関連銘柄は軒並みものすごい勢いで株価が急落しています。

こういう状態の中で「痛み」を避けるべく、「多数の人が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等には当てはまらない」と解釈して、イベント開催を決行せざるを得ないケースも出てくるでしょう。

事実、とある100名弱の規模の非営利のイベント(交流会)はイベントの自粛要請の報道後も「開催を決行する」そうなのですが、理由は「すでに料金を支払い済みで、返金もされないので今更中止にできない」ということでした。

また、国際フォーラムで開催されるとあるフォラームも同様の理由で「このフォーラムを中止したら会社が潰れてしまう」という理由で、昨日25日の時点では開催する見込み、とのことでした。

これは間違いなく「氷山の一角」で、日本中いたる所で「やむなく開催決行」を余儀なくされているケースは多いでしょう。

また、ウイルスの感染防止のためにはお店を閉めたほうが良い、とわかりつつも、そんなことをしたらお店の経営が立ち行かなくなる…!という理由から営業を継続せざるを得ない飲食店も山程あるでしょう。

これに対して経済産業省は「新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業者への支援策」を取りまとめたほか、厚生労働省は「雇用調整助成金の特例を実施」するなど救済措置をとっています。

ただ、これだけでは恐らく不十分で、実際の愛知の旅館が経営破綻するなど、すでに影響が出てきています。

そういう事情も踏まえて「可能な限り、勇気を持ってイベント開催を見送る決断をしてほしい」という表現にしたのでした。開催せざるを得ない理由があるケースもあるので、「可能な限り」と。

決して小さくない痛みを伴うのは辛いですが、「ピークカットにより、医療崩壊を防ぐ」ために、「損して得取れ」(いえ、「中くらいの損によって、大損を避けよ」くらいが正しい表現かもしれません)の発想で、勇気をもって「イベントはオンライン開催、もしくは中止・延期」を決断しませんか?

一刻も早く、事態が終息しますように。



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