18歳以下一律給付問題。本当に困っている人を見て見ぬフリする政治ってなんなの?

公明党の選挙のためだけの公約を丸のみするようでは岸田内閣も期待できない。これの何が気持ち悪いって、もともと与党だったのなら政権担当時にやればよかった話。それを選挙の直前に打ち出してくる時点で姑息としか言いようがない。これを押し通すことで、すぐやってくる次の参院選挙でも同様の人参公約をぶちかまし、「前回の公約を実現したのは我々だ」と言いたいだけでしょう。完全に選挙のための道具にしている。彼らの政治人生のために税金が使われる。 こんなの許されない。

所得制限をつけると給付が遅れるというが、それは前回の時も議論になっていたわけで、今更その話を出すのは、この1年以上何をやっていたのかと言いたくもなる。

野党が異論を言うのは当然。

それももちろんだが、この18歳以下一律給付金を言っている公明党の人の何が気持ち悪いって、19歳の若者にしろ、20-29歳にしろ、30代以上でも40代にしろ、年齢関係なく、子どもがいようといまいと経済的困窮者は存在するのに、まるで「そんな人間など日本にはいない」かのごとく透明化していることだ。

公明党に限らず、政治家は日本に4400万人も独身者がいるという事実(2015年国勢調査時点15歳以上人口1億人のうち)を忘れてやしないか?独身は税制的にも何の優遇もなく、巷で騒がれている育児休暇もなく、休暇を取る人達に文句を言うこともなく、その穴をせっせと埋め、金融業界の会社などではいまだに「未婚は管理職にできない」とかのいわれのない差別を受けても、もくもくと仕事をこなしている。

加えて、いい年して独身だと「早く結婚しろ」だの「えり好みすぎじゃないのか」だのいろいろいじられ、挙句の果て「人間的に欠陥があるんじゃないか」的な暴言も浴びながら、誰に歯向かうことなく、せっせど自分の趣味などに幸福を見いだして日々過ごしているのである。

大企業ならまだいい。中小に勤め、それこそ年収300万にも達しない中でも黙々と働いている。意識高い系が働く方改革だのテレワークだりなんだのどうでもいいことを話している間も、小売りや飲食や物流の世界が働いていたのは彼らである。誰のおかげで自分らが在宅勤務できたと思っているのか?

いい加減に、人間を透明化するのやめてくれませんか?

それについて、ヤフー連載で記事を書いた。書いた瞬間からものすごく読まれている。ぜひ一読してもらいたい。

端的に言えば、公明党がいっているのは「世帯年収3000万円くらいある富裕層家族で子どもが3人いるところには30万円も支給されるのに、18歳で強制的に児童養護施設を追い出されて、誰にも頼ることもできず、それでもたった一人で非正規の仕事で頑張っている19歳の若者には1円もあげない」ということです。それで本当にいいの?それは不公平と言わないの?

記事にも書いた通り、基本的に僕は全員の一律給付金には反対です。年齢制限などはまったく意味のないものだと思います。所得制限はありでしょう。

経済的に困窮する人を救うのなら、経済的条件をベースにするのが当たり前です。全員に配るのは無意味というのもそういう理由。

前回の給付金の時にもここに書いたように「この給付金は国民全員に与えられた消費の予算なんだ。貯蓄なんかせずに全額使え。それが結果として自分のためにも社会のためにもなる」と子どもたちに向けて書いた。

この10万円の消費とは、コロナとの戦いにおける我々国民一人一人が果たすべき役割でもあります。医療や小売り、交通インフラや物流従事者の方々など、この時期も働き続けてくれる人たちとは違う形で、私達は消費をして戦うのです。

しかし、案の定、ほとんどが貯蓄に回った。多分ほぼ親が「預かっておく」とかいって子どもたの分きはめしあげられてしまっただろう。今回もきっとそうなる。気持ちはわかるが、個別の最適を求めると全体の最適にならないまさに好事例となってしまった。

ヤフー記事の最後の段落に書いたことは何度も言っていることだが、あえて何度も書く。

誰かの消費は誰かの給料になる。どんな無駄な出費だろうと、不要不急の消費だろうと、それは巡り巡って誰かを救うことになる。それが経済なのです。



給付金成金のような方もいるようです。幸せそうで何よりです。

それより10人産んだ奥さんがすごい!


追記

この記事を書いている最中にこんなニュースが。所得制限の方向で自民党は考えているようです。高所得者の除外よりも、子どもの有無関係なしに困窮者の支援を考えてほしい。

そして…


長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。