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日本の科学技術力低下を止める打ち手

この記事は、2018年9月の記事ですが大切なポイントがあると思い、
記事にすることにしました。
まずは、冒頭の引用部分から始めます。

日本の科学技術力の低下に歯止めはかかるのか。
政府自らが低下を認めた2018年版科学技術白書や
8月に公表された文部科学省科学技術・学術政策研究所の
「科学技術指標2018」を読み解くと、
低下の流れを止めるには2つの課題の解決が不可欠であることが分かる。

ここでの2つの課題とは、以下の2点をさしています。
1)優秀な若手が研究者を目指さないという点
2)新分野への挑戦が日本は少ないという点

まず、上記の課題に入る前に、前提のおさらいです。
数年前から日本の論文数とその質の低下は問題視されていました。
論文数が中国に抜かれたとかって話です。

この記事だと論文数の低下よりも、質の問題が大きいとしています。
論文での質というのは、
他の研究者から引用される数、被引用数、が質を表す指標になります。
ここでも論文というのは、いわゆる英語での論文を示しています。

ただ、これはいわゆる科学研究に関する論文での話でして、
社会科学などの文系の場合はそもそも英語論文も少ないし、
書籍である場合もあるので、比較がかなり困難なんです。。。

さて、記事に戻りますが、
国別で被引用数が上位10%や1%に入る論文の割合を比較することで、
引用される質の高い論文を国別にどれだけ占めているのかがわかります。
そして、日本ではそうした高被引用論文が顕著に低下しています。

この質をあげるには、
先ほどの2つの課題を克服する必要があるというのが論旨です。
この二つの課題は、構造的な問題だなと思います。

まず、優秀な若手が研究者を目指さないという点から。
研究者を目指す人が減っている理由の大きなものとして、
常勤の研究ポストの少なさがあります。
流動的なポスト(3年程度の任期)は多いものの、常勤となると少ない。

私も博士号取得後すぐにNCIに研究留学し、2年間ポスドクをしたのち、
産総研にテニュアトラックに入れるとの触れ込みで帰国しましたが、
色々あってあっさりと放り出されました。。。。
(その後は、製薬企業での研究や現職のライフサイエンス系コンサルタントをしていて、結果としては面白い経験をさせて貰っています)

なので、数年毎に結果(論文投稿)を出しつつ、次のポストを狙う大変さ
はやったことのある者しかわからないプレッシャーがありました。。。
そして、給料の問題(結婚が遅くなるとか)もありました。
(一般的に、製薬企業での研究者はアカデミアよりも高給だと思います)

また、一旦得られたポストを手放せなくなるので、
海外に出て研究する研究者数も減ってします構造になります。
(研究者の海外離れについては以下の記事をご覧ください)

次に、新分野への挑戦が日本は少ないという点です。
記事によると、多くの研究テーマがある中で日本のテーマカバー率が低いとしている。米国が91%をカバーしているのに対し、日本は32%。
日本より研究者が少ない英国やドイツは、日本よりカバー率が高い。
そのため日本では同じような研究分野に人が集まっているとしている。

これも構造的な問題を孕んでいると思われます。
研究費配分の問題などが際たる理由だと思います。
また、以下のNISTEP(科学技術・学術政策研究所)の報告によると、
研究の多様性についての面白いアンケート結果がありました。

研究の多様性が低下している理由として、以下3点をハイライト。
・一時的な流行を追った研究の増加
・新しい研究領域を生み出すような挑戦的な研究の減少
・新たな研究テーマを見出すための探索的な研究の減少

全ての研究者がそうであるとはもちろん思いませんが、
全体の傾向としては、
誰もがやっている流行りの研究をして、
新しいことに挑戦せず、
既存の研究領域での研究を続けている。
という、論文分析からその姿が透けて見えてきています。

では、どうしたら良いのかについて記事はこう締めくくっています。

文科省の山脇良雄文部科学審議官はこうした問題点を認識した上で
「制度面の改正も含めて様々な施策をうっていく」と述べる。
科学研究費の制度改正や、新分野に挑戦しやすい競争的資金制度の改革、
さらには大学改革を進めて若手研究者の待遇改善もするという。
課題は明確で特効薬はないが、制度改正など予算を必要としない施策を
どんどん打ち出していくしか解決策はない。

確かに正解の対策はないのでやれることを
片っ端から進めるしかないと強く思います。
かなり多岐にわたる改革が必要だと思いますが、
時間をかけないでどんどんやってほしいです。
なぜなら、すでに多くの指標が右肩下がりになっているので、
もう時間的な余裕がないからです。

少子化も同様に待った無しなので、
打ち手があるならどんどんやってほしいです。
国力という面では、少子化の影響のように科学技術力も
ボティーブローのように効いてくるのが目に見えています。

私は科学者を支えるような動きしかできませんが、
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黒坂宗久(黒坂図書館代表)

74年神奈川生まれ。子供時代に科学雑誌「Newton」を読み、宇宙飛行士を志す(963人から230人に残るが落選)。日米で免疫学を研究、製薬企業5年、トムソン・ロイターで5年勤務。現在は製薬会社にデータを提供する仕事。サイエンスの気になるニュースも発信します!

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