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高齢者による高齢者の既得権益を許しているのは誰だ?【都知事選】

明日は都知事選挙です。都民なんですが、いまいち盛り上がりに欠けていて、とても明日が投票日だとは思えない。僕だけでしょうか?

コロナの影響か、候補者の話を聞くことも少なく(今回、宣伝カーとか全然遭遇しなかったけど、あれ禁止されていたのでしょうか?)、誰が何をしたいのかも明確にわかっていません。

僕のようなおっさんでさえ、そう思うくらいですから、若い人なんかは尚更興味がないのではないでしょうか。

前回の2016年の都知事選挙時、20代の投票率はわずか38%でした。その一方で、年代があがるごとに投票率はあがり、30代52%、40代59%、50代68%、60代74%、70代以上67%という結果です。

これだけ見ても、日本のシルバーデモクラシーぶりがわかるというものですが、これを実際の東京都の年代別人口と掛け合わせるとより顕著です。

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そもそも東京都の総人口は、70代以上が一番多く、次は40代なので、全体のバランスとしてはその通りなのだけど、これ人口対比にすると、投票では高齢者にかなわないことがはっきりとわかります。

30代以下、40-50代、60代以上の3階級に投票人口推計を分けると以下のようになります。

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30代以下の若者と60代以上の投票人口の差は100万票もあります。30代以下が全員同じ候補に投票したとしても、60代以上がそれに対抗したら絶対に勝てないのです。30代以下が60代以上と同等の投票人口になるためには(+100万票上乗せるためには)、彼ら若者が73%以上の投票率にならないとなりません。60代の投票率と同等にならないと勝てないということです。不可能な数字ではありませんが、とても現実的ではありません。

この結果を突き付けると、若者からは「ほら、どうせ、俺らが投票したところで大勢に影響ないんだから、投票したって無駄」ってなってしまうんでしょうねえ。

逆に、この結果を政治家が見れば、そりゃあ高齢者のいう事だけを聞いた方が当選すると思うに決まってる。

もちろん、過去の出生数からいって、40代以上の人口が多いのは仕方ないにしても、シルバーデモクラシーを許してしまっているのは、若者の低い投票率であるということも確かです。

自分の税金を「子どもたちのために使ってほしいか?」「高齢者のために使ってほしいか」のアンケート結果を見ると、当然ながら、回答者の年齢があがればあがるほど「高齢者のために税金を使え」となります。50代以上の未婚女性に至っては、唯一「子どもより高齢者のため」という形になっています。まあ、未婚ですし、自分の子もいないわけですから、人情としてはわかる気もします。

全体的に、既婚より未婚、男よりも女の方が、自分が高齢者になると高齢者寄りになる、という傾向があります。

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でも、果たして、本当にそれでいいんですかね?

このままでは、現役世代で働く男女のおさめた税金は、本人たちは「未来の子どもたちのために使って欲しい」と願っても、選挙によって多数決を得る力のある高齢者のためにしか使われなくなりますよ。

別に、高齢者をないがしろにしていいということではありませんが、都知事選に限らず、何の選挙でも、結局投票者は高齢者だけ。高齢者の高齢者による高齢者のための政治になるのも当然ではないでしょうか。


「どうせ投票したって何も変わらない」

そういう台詞を吐いていいのは、投票をした人だけです。

明日、天候が悪いとはいえ、投票所にぜひ行ってぜひ投票してみて下さい。自分の入れた人の当落はあまり関係ないです。若い人の投票率が高くなった。その事実だけで、政治家は姿勢を改めるはずです。

舐めんなよ、俺達を。若い子たち、大人に目に物見せてあげてください。


追記 もしかすると、今回高齢者の投票率は下がるかもしれませんね。天候の問題もあるし。


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