「自分の時価総額」を意識する時代が来た!

ふとLinkedInのフィードを見ていたら、以下の記事が目に止まった。

http://www.onikohshi.com/social-media/linkedin_t_f/

◆FacebookやTwitterとも全然違う。結構ごっちゃになっちゃってるのですが、今のユーザーがどういう使い方をしているかは別として、もともとはFacebookやTwitterは個人がプライベートでつながるSNSです。これだけユーザー数が増加してくると、ビジネスツールとして活用されている方もいらっしゃいます。私もそうですが。しかし、FacebookやTwitterの投稿がすべて企業からの告知やビジネスパーソンからのノウハウ情報だけになることを想像してみてください。沖縄の知人が「夏なのに本土より涼しいよ〜」って言ってたり、知り合いがしょっちゅう野球を見にいってたり、そういうのが一切なく「セミナーやりまーす」「うちの商品買ってください」みたいな投稿だけになると、特にTwitterなんか誰もいなくなるんじゃないでしょうか。

Facebookをビジネスに活用している方も多いと思われるが、日々増え続けるフィードの情報の処理に苦労しているのではないか。私自身Facebookは公私共につながりのある人のアップデートだけチェックしているし、どちらかというとプライベートのメールの代わりとしてメッセンジャーだけを使っている。

◆LinkedInで、転職のためだけではなく自身のビジネスやスキルを世界に発信する。そこでLinkedInです。ここには基本、ビジネスユーザーしか存在しません。むしろ、野球を見に行ったとかラーメン食べたとか、FacebookやTwitterでは喜ばれそうな投稿もLinkedInではノイズになります。投稿する方も見る方も、みんなビジネスの情報を中心にコミュニケーションをとります。「いかに嫌がられることなく。。」など、気にせず告知すれば良いのです。見てる方もあなたのビジネス情報を求めているのです。

仕事で情報収集をするときに集中するというは、意外と難しい。例えばヤフーで検索したとすると、横にでるエンタメニュースが気になってついポチポチ、、、気づいたら30分くらい経っていたという経験はあるのではないか。「基本的にビジネス情報しかないフィード」というのはとても効率がよく、より深く知りたいと思ったら投稿者にメッセージして聞けば良い。こういう能動的な動きが、今後のビジネスにおいては重要になってくると思う。なぜかというと、自身のキャリアに対する考え方が、大きく変化してきているからだ。

自分のキャリアは自分で決める――。仕事、職場、働き方、そして生き方そのものにオーナーシップを持つ時代が、日本にもやってくる。

皆さんは、これまで、どちらかと言えば受け身の姿勢で社会人生活を送ってきた人が多いのではないだろうか。一度入社すれば、人事部が会社人生を最後まで面倒を見てくれる。自分のキャリアについては心配せず、その代わり会社が与えてくれる業務に全力で打ち込めばいい。そんな暗黙の絆が、個人と企業を強く結びつけてきた。

文句を言わず、それなりに頑張っていれば、個人も企業も、何となく生きていける。しかし、日本で長く続いたこの環境が大きく変わりつつある。私たちがこれまで持ってきた働き方に対する考え方を、根本から切り替えるタイミングに差し掛かっている。

働き手がどんどん減っていく現実

変化の震源は、日本の人口動態である。日本を支えていく労働者の数が今後、急激に減っていく。国立社会保障・人口問題研究所によれば、日本の労働力人口は2030年に5880万人。2016年に比べて1割超減少する。2060年には4157万人と、4割近くも減ると予測している。

人手不足に関わるニュースは、連日のように報道されるようになった。今後働き手がどんどん減っていく中で、日本が変わらず競争力を維持するためにはどうすればいいか。現実的に、取れる選択肢は多くはない。

このため、多くの専門家が今、一人当たりの生産性をいかに向上させるかという議論を活発に繰り広げている。これが「働き方改革」の中でも声高に主張されるようになってきた。OECD(経済協力開発機構)が、日本の一人あたりの労働生産性が先進国の中で最低水準にあると指摘していることは、広く知られるようになってきている。

文句を言わず、とにかく、会社が与えてくれたことをやり続ける。それが無駄だと分かっていても、余計なことは考えず、何となくこなしていれば、生きていける――。主体性も当事者意識もあまりない働き方が、日本企業の悪しきデファクト・スタンダードになっているように思える。

硬直化した日本の働き方を変えるために取り組むべき課題は無数にあるが、私自身は2つのポイントに注目している。女性活用の一層の推進、そして副業の普及である。

女性活用の促進は、これから不足する労働人口を補う貴重な人的資源の供給源になるだろう。バリバリ活躍していた女性が、出産や育児などでキャリアを中断した後、いかにスムーズに復帰してもらうか。子育てが一段落した主婦の方々のスキルをどう生かしてもらえばいいか。これまで埋もれていた人材を掘り起こす努力が、多くの企業に求められるようになる。

副業の広がりは、一人あたりの労働生産性を高める大きなインセンティブになる可能性を秘めている。現在の業務をより効率的に進めることで、新しい仕事の機会を手にできるようになってきた。従来は難しかった複数の仕事を担うような働き方が、情報技術の進化によって実現可能になっている。そして、この副業の機運をさらに高めるためには、労働の成果=頭数×時間だった20世紀の常識を覆す、新しい働き方の常識を企業も受け入れる必要がある。

終身雇用制度は古き良き時代の遺産に

個人と企業を巡る関係の変化で言えば、長らく日本企業の象徴と言われてきた終身雇用制度は、限界を迎えつつある。

これだけ競争が激しく、将来の見通しが不透明な中では、企業が社員の面倒を長期的にコミットするのは簡単ではない。実際、日本を代表する大手製造業が経営破たんの瀬戸際に追い込まれたり、外資の傘下に入ったりしている。こうした企業で働いていた人々は、いきなり自分のキャリアを自分で考えるという現実に直面することになるだろう。

国内市場が先細りしていく中では、上記のようなケースが今後さらに増える可能性が高いだろう。その中で、日本企業が国際競争に勝ち抜いていくためには、グローバル企業の標準的な発想を取り入れることが不可欠になる。そして、私たちがこれまで持ってきた働き方の価値観の変化も、この文脈で捉えておく必要がある。すなわち、自分のキャリアについて、親身に考えてくれる会社は今後ますます減っていくという現実である。

変化は決して一過性のものではなく、不可逆的である。今だけやり過ごせばいい、という考え方は残念ながら自分を不利な状況に追い込む一方だろう。決して脅しているわけではないが、日本のビジネスパーソンの働き方が大きな岐路に立っていると言っても過言ではない。

ただ、こうした状況は決して悲観するものではないと思う。自分自身がオーナーシップを持ってキャリアを構築していくという発想は、人生をより主体的に選択しているという実感を得られる。自分の価値、すなわち自分の時価総額を意識すると、何事も前向きに捉えることができるようになり、そして何よりも、人生をより楽しく生きられるようになるだろう。

https://www.linkedin.com/

(情報開示) 筆者は現在リンクトイン・ジャパンに勤務している。なお、本記事は個人の見解であり、所属する組織等の見解を代表するものではありません。

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