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「トランプ効果」で日中接近(2019.06.28)

コンテンツチームの太田です。西川口、亀戸、池袋……。何の脈絡もなさそうな街ですが、最近、テレビや雑誌で特集されることが多くなってきました。どんな共通点があるかお分かりですか?

価格の安さや利便性などから在日中国人が住み着き、新たなコミュニティーができているのです。中華料理店や食材店が軒を連ね、「新チャイタウン」と呼ばれることも増えてきました。私も何回か訪れましたが、中華料理店はかなり本格的な店が多く、おすすめです。

訪日観光客も増え、ますます身近になる中国との関係ですが、今日の日経1面トップは国家間の外交も良化の兆しが出ている、という記事です。日中に対する貿易をめぐり、トランプ米大統領が強硬な姿勢を示しているのが背景にあるようです。

のび太(日本)とスネ夫(中国)がともにジャイアン(米国)にいじめられ、結束して仲良くなっている、というイメージでしょうか。とはいえ、本当にのび太とスネ夫が仲良しでい続けられるのか。「つかの間の」とあるように、そこにはいくつもの難題が横たわっているようです。

Morning Briefingとは
その日の朝、読んでほしいニュースの要点を簡単に要約したもの

「トランプ効果」で日中がつかの間の融和

◆キーワード
日中首脳の関係改善

◆ニュースはなに?
安倍晋三首相は27日、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)出席のため初来日した中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席と会談した。首相は来春に国賓としての再来日を要請し、習氏も前向きに応じた。

◆気になるポイント
日中関係は2012年の沖縄県・尖閣諸島の国有化などをきっかけに悪化し、トップ同士の相互訪問が途絶えていました。首脳往来が復活したのは18年5月の李克強(リー・クォーチャン)首相の来日です。安倍首相も同年10月に日本の首相として7年ぶりに中国を公式訪問しました。

時を同じくして進んでいたのが米中の関税引き上げ合戦でした。18年3月に米国が対中制裁の方針を決め、同年7月に第1弾の追加関税を課して貿易戦争が事実上始まることになります。習指導部が日本との関係改善にカジを切った背景には、米国との貿易戦争があるとの見方が多くあります。日本も中国と同じようにトランプ氏から貿易赤字をやり玉に挙げられ、自由貿易の推進で同じ立場に立つからです。

中国は日本側から習氏の国賓来日の要請を受けていると明らかにし、「希望としては桜の満開の時だ」と時期まで特定しました。外国訪問の日程を中国側から先に公表するのは異例のことです。しかし、両国の間には尖閣諸島を巡る問題や東シナ海のガス田開発など懸念も少なくありません。蜜月関係がつかの間に終わってしまう可能性も多分に残っています。

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