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Z世代の多様化とマッチングアプリの進化

3月7日発売の『群像』にて、担当している連載「世界と私のA to Z」第12回に「私にとっての恋愛カルチャー」という記事を寄稿しました。

取り上げた大まかなテーマはZ世代の恋愛に対するコロナの影響、「デート文化」の変化、ジェンダー・セクシュアリティとフックアップ・カルチャー、メンタルヘルス・セルフケア、そして結婚観の変化と世代間の差。以下に原稿の一部を紹介します。(続きが気になる方は発売されたらチェックしてください!

「そもそも、日本における「付き合う」ということと、アメリカにおける「dating」という概念自体が、似て非なるものであるという認識を持つことが必要だ。お互いの人生にコミットすることなく、そして関係性を「恋人同士」と定義せずとも、Tinder上でマッチした人とカフェで会話を交わすような「デート」をすることから、性的な関係のみを続けている状況まで、「dating」というフレーズが表現する人間関係は幅広い。キャリアやワークライフバランスで追われているミレニアル世代の間で、手軽にたくさんの人と出会うことができるマッチングアプリの利用が一般化し、コロナパンデミックの発生によって自然な出会いがほぼ完全に消滅してしまったZ世代の間では必須のツールとなった。マッチングアプリのあり方も、利用者の価値観の多様化とともに大きく変化しつつある。」

最も人種、ジェンダー、セクシュアリティに関して多様であるZ世代が顧客層として影響力を増している現在、マッチングアプリのあり方も変化している。単に写真を見てスワイプをしてマッチするようなTinderだけではなく、より利用者のニーズに合わせたニッチなアプリも増えているのだ。メインストリームなアプリ、そして話題になっているアプリを紹介します。

TinderのSpotify機能

「Tinderは、スワイプする方向を選ぶ前に、相手が「アンセム」に設定している曲を実際に聴くことができるミュージックモードを導入し、相手の音楽の好みで判断する手段を増やした。ミュージックモードは、Tinderの他の音楽機能と同様にSpotifyと統合されるが、”自分を表現”するために選んだ曲で相手を判断することが容易になるはずだ - たとえ初めて聴いた曲でも、すぐに相手の雰囲気が分かるだろう。」

Hingeの音声機能

「デートアプリHingeに新しい音声機能が追加され、ユーザーはプロフィールの「あなたを知る」プロンプトに音声クリップで回答したり、チャットで音声メモを交換したりできるようになった。

音声を利用してデジタル・デートに新たな次元を追加するアプリの最新の例となる。Bumble や Happn などのライバルサービスもすでにボイスノートをアプリに追加しており、あるアプリ String では、ユーザーは自分の声だけでコミュニケーションをとることができる。多くの人にとって、相手の声の響きは魅力を感じる重要な要素であり、ボイスノートを交換することは、より表現力豊かなコミュニケーション方法と言えるでしょう。」

LEX

「Lexは、レズビアン、バイセクシャル、ノンバイナリー、トランス、ジェンダークィア、インターセックス、ツースピリット、エーセクシュアル、クィアな人々、つまりシスジェンダー男性以外のすべての人のためのクィアな出会い系アプリだ。このアプリは、Instagramのアカウント「Personals」をベースに、"昔の新聞の人名録 "にヒントを得て、すべてテキストベースで作成されている。BumbleやTinderのようにスワイプでマッチングするのではなく、Lexのユーザーは自分が誰なのか、何を探しているのか、タイトルと説明文を添えて広告を投稿するのだ。」

Coffee meets bagel

「Coffee Meets Bagelは無料で、毎日正午までに1件のマッチング、つまり「Bagel」が届けられる。ユーザーは24時間以内にベーグルに「いいね!」するか「パス」するかを選択し、2人がお互いに「いいね!」した場合、アプリがプライベートチャットを開き、7日間だけデートを設定する時間が与えられる。Bagelは、ユーザーのFacebookの友人や「友人の友人」を通じて、興味や個人的な経験を評価するコンピューターアルゴリズムによって決定され、ユーザーに類似したプロフィールを持つ人をマッチングする。」

Bumble

「Bumbleは、男性も女性も同じように使える。ただし、男性はマッチングした女性に最初のメッセージを送ることはできない。
女性が男性にメッセージを送ると、何の制限もなくチャットができるようになる。」



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竹田ダニエル
記事を読んでくださりありがとうございます!いただけたサポートは、記事を書く際に参考しているNew York TimesやLA Times等の十数社のサブスクリプション費用にあてます。