
消費者にとって、「いいインフレ」はあるのか
消費者にとって、「いいインフレ」はあまりないと感じます。
米国やシンガポールまどでは景気がよく、ディマンドプルインフレとも言われています。しかし、実際には物価の上昇のほうが先で、賃金上昇は遅れます。シンガポールでは電気代や家賃などが1.5倍近くに値上がった人もいて、日本よりもインフレの影響は大きいです。
日本の場合、国内だけを見ると、インフレの影響が緩やかに感じるかもしれません。しかし、海外に出れば、円安の影響も加味するとかなりのコスト高になっています。
例えば、1米ドル135円と100円だった頃と比べると、米国から物やサービスを購入する際に1.3倍も多く支払うことになります。また、原油などのエネルギー価格は世界中で上昇しています。
輸出者などほんの一握りの企業は恩恵を受けるかもしれません。しかし、それ以外の企業にとってはコスト上昇は企業収益を圧迫します。また家計にとって値上がりはいいことはないでしょう。
・最近の値上げラッシュをどう思いますか。値上げを受け、あなたの消費のあり方はなにか変わりましたか?
将来に対する強い危機感と、無駄遣いを徹底的になくそうという気持ちが生まれました。また、洋服など昔に購入した物を長く使うなどの工夫もしています。
・値上げを機に買わなくなったモノ、サービスはありますか。具体的に挙げてみて下さい。
私は日本よりも物価が高い国に住んでいるために、ありとあらゆる支出を見直しています。例えば、タクシーを使わないなど。公共交通機関や徒歩の選択をメインとしています。また、外食は観光客が行く店(日本だったら全国から人が集まる店)を避け、地元民に愛されるコスパのよい店舗を選ぶなど。身の回りの物も今あるもので足りているので新たに買わないようにしています。
・値上げしても買いたい、と思うモノ、サービスはなんでしょうか。また、それはどうしてでしょうか。
海外旅行(日本とシンガポールの行き来)に関してはコストが倍になっても続けたいと感じています。それは日本はふるさとであり、シンガポールにも生活があるからです。
PCRテストを家族3人でし(一人約1~2万円)、飛行機代や燃油サーチャージもかなり上昇しています。日本から北米やオセアニアへの燃油サーチャージはUSD334と日本円にすると5万円弱(JAL 2022年6月1日から7月31日発券分)でした。シンガポール航空のエアチケットはエコノミークラスでも一人約30万円前後かかる場合もあります。エアラインによっては値上げが緩やかなのでそうしたエアラインを選んだり、9ヶ月先まで予約を取ったり工夫をしています。
こうしたよほどの理由がない限り、消費をしようという気力が削がれるのがインフレの怖いところでしょう。
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