
ゲームチェンジは内側から起こるのではないか?
日経新聞の「Game Changer」という連載を読むのが最近の楽しみです。
新型コロナウイルスにより、全ての業界でゲームチェンジがおきようとしています。
連載を読みながら、ゲームチェンジを起こす人はどんな思考をしているのかと考えていました。
そこで感じたことをまとめてみました。
ゲームチェンジは綺麗な戦略からは生まれない
連載を読んでいて感じるのは、ゲームチェンジは綺麗な戦略からだけでは生まれないということです。
綺麗な戦略のイメージは下記です。
●一般的な戦略の考え方
・外部要因がこのように変化する(フレームワークだとPESTや5Forces)
・このように外部環境に適応しよう
・具体的な戦略はこれ
決して間違っている思考ではないと思います。
この基本的な考え方は変わらないと思います。
しかし、不確実で変化の激しい状況では、外部要因から考えるだけではゲームチェンジは起こせない。
大切なのは、自分の原体験やビジョン。
内側にあるものから思考して行動をしている人がゲームチェンジを起こしていると感じています。
海の自然力を利用し、世界の海のプラスチックごみの回収に挑んでいる、25歳の起業家ボイヤン・スラットの活動を見ていて強く感じます。
原体験⇆ビジョン⇆マーケティングの循環をつくる
内側から思考、行動して戦略に落とし込むイメージを図解してみました。
-原体験
自分を突き動かす根底にあるもの
原体験がストーリーになり、共感を生む
-ビジョン
原体験が、よりわかりやすく言語化されたもの
関わる人に共有され、全員に方向性を示す
-マーケティング
価値を伝える構造をつくり、
ビジョンを実現して持続可能性あるものにする
マザーハウスの山口さんは、原体験⇆ビジョン⇆マーケティングを繋げて社会を変革している好例だと思います。
山口さんの原体験とビジョンの繋がりは、著書の裸でも生きるを読むことオススメです!
バングラディシュで見てきた現実の中で自分の人生に最も影響を与えたものは、明日に向かって必死に生きる人たちの姿だった。食べ物が十分でない、きれいな服もない、家族もいない、約束された将来もない。
そして生活はいつも政治により阻害され、きれいな水を飲むにも何キロも歩かなければならない。そんな人たちが毎日必死に生きていた。
ただただ生きるために、生きていた。
そんな姿を毎日見ていたら、バングラディシュの人が自分に問いかけているような気がした。
「君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?」って。
「裸でも生きる」より引用
まとめ
これからの時代にゲームチェンジを起こしていくためには、MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を策定するだけでは足りない。マーケティング戦略だけでは足りない。
強烈な原体験をビジョンと具体的なマーケティング戦略に落とし込むことが大切なのだと考えています。
中途半端に綺麗な戦略やメディアプランニングだけを担うマーケターは必用なりそうです。
自らばビジョンを描く、一緒に仕事をする人と原体験や価値観を共有しながら戦略をつくれる人がゲームチェンジを起こしていくのだと思います。
もう一度、外ではなく内にある原体験をビジョンに立ち返りマーケティングに落とし込んでいく思考を大切にしていきたい。
※余談
5月に原体験ドリブンの著者であるチカイケ秀夫さんと対談する予定なので楽しみです。