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謎の第4通信キャリア「中国広電」とは?日本の第4キャリア「楽天」とはどう違う?


中国では電信「三大運営商」という言い方が定着している。中国移動、中国電信、中国聯通の3社を指す。中国の都市を歩けば、必ず3社の看板や営業所に遭遇するはずだ。日本の3大キャリア、NTT、KDDI、ソフトバンクに相当するとみて間違いない。これまでの3社体制に対し、日本では楽天が、中国では中国広電が、第4キャリアとして加わることになった。

日中3大キャリアの出自は、かなり違う。中国の三大運営商は、いずれも同じルーツを持つ国有企業である。1994年、日本の総務省に当たる国家郵電部に、移動通信局が設立された。98年に郵政と通信を分離し、翌99年に通信を、移動、電信、聯通の3社に分轄した。それぞれに、固定電話、移動電話、インターネット接続業務など業務を受け持たせた。ただし固定電話は、電信と聯通の2社にのみ振り分けた。そのため中国移動は身が軽く、有利だった。実際にモバイル契約数は、圧倒的なトップだ。中国中央国有企業ランキングでは、移動5位、電信16位、聯通27位である。

今回、これら3社に加わる、中国広播電視網絡(中国広電)とはどのような会社なのだろうか。

中国広電は2014年、財政部(財務省に相当)の出資により、広電総局の責任において設立された。資本金は45億元。真新しい国有企業だ。同社の業務は、全国規模の有線(ケーブル9テレビ網業務と“三網融合”業務である。

三網融合とは、電信網、計算機網、有線テレビ網の“物理的合一”であるという。より上位の通信網構築を目指すための基点となる会社、ということだろうか。ただしそれは“市場主体”で行うという。国家の目指す最終形は、イメージはされているのだろうが、決まっているわけではなさそうだ。その将来目的のためには5Gも掌握する必要がある。2018年11月、工信部(経産省に相当)の同意を得て、5G建設に参与することが発表された。そして今回、正式な営業許可証が下りたわけである。

中国広電は、第4キャリアとしては、日本の楽天と同様にはるかに後発だった。一方で三網融合の“推進主体”である。やがて巨大な三大運営商を、意のままに動かすようになるかもしれない。純粋な民間企業、楽天とは似ても似つかない会社であった。ただし、資金は潤沢にあるわけではなく、中西部のケーブルテレビなどで、自ら稼ぐことも課せられている。
とにかく、中国広電は、ただの第4キャリアではなかった。三大運営商も含む、将来の中国電信界のカギをにぎる会社である。今後の動向は、三大運営商以上に注目したい。

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中島嘉一(プラスチャイナ CEO / 36Kr Jap...

プラスチャイナ株式会社CEO / 中国スタートアップ専門メディア 36Kr Japan 顧問 / 23歳から10年中国滞在 / 上海で起業 / 日経COMEMO KOL / NewsPicks注目ピッカー

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