「この国の為替に対する反応は異常である」という論点

最も首肯出来るのはこの一節です「もっと異常なのは、通貨に対するこの国民の反応である」。かつて行天元財務官も日経「経済教室」の場で「この国の為替に対する執着は率直に言って異常である」との旨を仰っていたことがありますが、私も完全に同感です。エコノミストや経済学者でもない、特に分析技術を要しない市井の人々まで円高を敵対視し、忌避しようとするのはやや奇異です(それは一部でメディアの責任でもあるかもしれません)。紙幅の関係もあり、ここでは全てを論じることはしませんが、やはり円安と輸出増の相互連関に伴う成功体験があまりにも強大で鮮烈だったことに起因するのでしょう。

 14年~16年のGDPが増えなかったことについて消費増税が一因であることは間違いないにせよ、その背景で起きていた円安と交易損失拡大、結果としてのGDI低下を無視することが不適切であることも明らかであるはずです。もっとも、近年、政治家の方々においても円安コストを口にする向きが見られ始めており、確実に社会規範は変わり始めていると思います。この意味で小幡先生の仰る「円安で輸出が伸びて生産が増え、景気が良くなっても消費が伸びないのを訝しがる為政者」は以前よりは減ってきたと思います。

 海外を見渡してみて、米国やドイツや英国が自国通貨高にここまで一喜一憂しているのかどうかを見れば、如何に日本の為替に対する反応がユニークなのかが分かります。「良い・悪い」はさておき、それは事実でしょう。株価のバリュエーションを軽々に口にすることは控えたいと思いますが、円安に盲従する論調が未だに強いことに関し、シニカルに論じている部分は必読と思います。

https://newspicks.com/news/2442710/body/?ref=pickstream_2460408

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