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話すことが先か、書くことが先か

世界のエリートは美術館に行くことが多いらしい。

「アート作品を鑑賞するときは、できるだけ言語化をすることが大切です」とあり、この点全く賛同する。しかし、「自分の意見を人に話すことで、言語化に対する意識が強まりますし、さらに、より言語化の精度も高めることができます」というのは、エリートだけだと考えている。

「話す」難易度

「話す」ときに、我々は、コンテンツと論理を同時に操作する。話したい中身=コンテンツがあり、それをどういう論理、主張と根拠、その因果関係という構成で説明するかを考える。これを同時に行うのが「話す」ということだが、なかなか難易度が高い。多くの場合、コンテンツが優先され、論理が後回しになり、話したいという熱量はあるものの、それを適切に伝えることができず、相手から賛同を得られないことも多い。

アート鑑賞から何かを感じ、それを言語化することはとても大切なことだと思うが、いきなり「話す」のは、エリートだからこそできることだとも言えるだろう。

まず「書いて」みる

何かを感じたら、まず書いてみることをおすすめしたい。というのも、「書く」ことは、やり直せるからだ。書いてみて、何か違うと思えば、書き直せばよい。文字が残っているので、どこが違い、どこが合っているのか、よくわかる。思いが十分に伝わっていないところは、気持ちを付け加えることもできる。

NewsPicksやnote(COMEMO)が優れているところはここで、書くことで自分のアタマの中を整理でき、何を伝えたかったのか、何を感じたのかを、改めて考え直すことができる。

解釈は自由だが論理を必要とする

芸術作品は、誰の目にも同じように映る。作品は一つしかなく、月を描いた作品なら、誰が見ても月を描いた作品だ。しかし、その作品を見てどのように感じるか、その解釈は人により異なる。月を見て「寒々しい」と感じる人もいれば、「情熱的だ」と感じる人もいる。解釈は自由だ。

しかし、なぜその解釈に至ったのかという論理を持たなければ、他人はその解釈に至ったプロセスを理解できない。だから、ビジネスでも芸術でも、解釈を説明する論理が必要となる。これを「話す」ことで説明することは、かなり難易度が高い。だから、まず「書く」ことをおすすめする。書くことで、論理の何が足りないのか、何が飛躍しているのかを明らかにすることができる。

このように、感じたことを言葉にすることはとても大切なことなのだが、僕は「話す」ことよりも「書く」ことをおすすめしたい。

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牧田 幸裕 名古屋商科大学ビジネススクール 教授

名古屋商科大学ビジネススクール 教授。専門は、経営戦略、マーケティング、デジタルマーケティング、ラーメン。日経COMEMOキーオピニオンリーダー

COMEMO by NIKKEI

日経が推す各業界キーオピニオンリーダーたちの知見をシェアします。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 はじめての方へ→ https://bit.ly/2DZV0XM 【...
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