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Wow!とハマり 〜これからのサービスに大切なことあるいはサブスクリプション時代

© comemo992439091

2016年ごろからサブスクリプションサービスが増えてきましたね。

https://sub-plus.com/fashon/186/

サブスクリプションサービスにはいくつかのタイプがあります。

ざっくりいうと3タイプかなと思っていて、タイプ別の考察はまた別で書きたいとおもっているのですが、

・①使い放題系: spotify, Kindle Unlimited
・②詰め合わせ系: MY LITTLE BOX, SAKETAKU
・③シェアリング系: AirCloset, ラクサス

個人的に、サブスクを「買いもの」サービスの延長と考えると、そのサービスの本質を捉え損なうと思っています。

サブスクと買い物の違い

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買い物サービスは、気に入ったものを買う、という行為自体にバリューがあります。その価値が得られるのは買う「瞬間」、すなわち点のバリューです。

対してサブスクリプションサービスの価値提供は「瞬間」にあるのではなく、継続的な線のバリューです。究極をいえば、カスタマーサポートサービスの一種と言ってよいでしょう。

先ほど挙げたようにサブスクにはいろんなタイプがあり、サービスごとに「いくらでも使える安心」や「おトク」「新しいものとの出会い」という価値が個々にあるのですが、個人的に、サブスクリプションに共通して必要な最も重要な価値は、「生活のパートナー」となる、ということだと思っています。

WoW!とハマり

事業や企業の相談に乗った時、サービスや事業について、「Wow!」と「ハマり」という2つの価値について話すことがあります。

「Wow!」というのは驚きの体験で、出会った時に跳ね上がる、点の刺激です。そしてこの刺激は時間が経ったり、あるいは回数を重ねると下がっていきます。

一方、「ハマり」というのはじわじわと上がっていくもので、最初は大きくなくても、時間が経つほど上がっていくものです。

「Wow!」の代表例でいうと、Prismaや最近でいうとMeituのようなアプリがありますね。

facebookやInstagramで誰かが使いはじめると、「すげー!」「これなんのアプリ?」みたいなコメントがつき、瞬く間に伝染していきます。中にはプロフィール画像を変えたりする人もいたり。

しかし1ヶ月もすると、そのブームは過ぎ去り、プロフィールをそれにしていた人は、ひっそりと(facebookのタイムラインに出ないようにして)元の写真に戻したりします。

対して、facebookやtwitterはどうでしょうか?

「実名で友達の近況が知れるアプリ」「140文字以内でつぶやけるアプリ」と聞いて、ひとは「すげー!」とは言いません。ほとんどの場合、使い始める時点ではそこに”興奮”はありません。

けれど、使えば使うほどハマっていき、気がつくと生活になくてはならない「生活の一部」になっている。毎日のように開いてしまう。

Wow!のサービスはイケメンの憧れの彼で、ハマるサービスは結婚相手、みたいなものかもしれませんね。

サービスの価値は積分値

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ユーザーがサービスを通じて得る感動=「Value」を縦軸に、横軸に時間を取ってみると、

①Wow!型サービスは瞬間的な高さはハマり型よりも大きく、強度があります。強度がある分バズを起こしやすいのですが、時間軸の推移でみるとそれはパルス波のように急速に落ち着き一時的な傾向もあります。

一方の②ハマり型サービスは、最初は大したことがないものの、じわじわとバリューがあがっていきます。

このグラフの積分値がサービスの価値であり、ビジネス的にはLTV(ライフタイムバリュー)と相関します。

Wow!とハマりはどちらもあるに越したことはないのですが、一つ気をつけなければいけないのは、「人は刺激に慣れる」ということです。

「ハマり」のためには感動値を上げ続けるか、少なくとも維持している状態が必要です。最初にあまりに大きなWow!を出してしまうと、その後ハマりにもっていくのがつらい。一時期とても人気が出たタレントが「一発屋」になるのも、「Wow!」の初期の強度が「ハマり」を邪魔するためだと思います。

生活にインストールする。

以前、投資家の前田ヒロさんに自社サービスであるYourNailについてご意見を伺った時、

「こういう新しい文化を創る系のサービスの勝負は、生活にインストールできるかだね」

というアドバイスをいただきました。

ちょっと宣伝みたいになってしまいますが、YourNailについて簡単に説明させてください。

一言でいうと「パーソナルメイドネイル」アプリ。アプリを使って好きなデザインで、自分の爪のサイズにあったシールタイプのネイルを完全にオーダーメイドできるサービスです。

https://fumumu.net/36677/2/

シールタイプなので、つけたり外したりが5分とかからず非常に手軽なので、最初に体験いただくと「はやい!」「かわいいー!」と驚いていただけます。(Wow!がある)

ただ、たとえ最初感動していただけてもやはり「シールタイプのネイルをする」、という行動はネイル手法としてまだまだ一般化していません。

そうすると1回、2回と使っただけでは「新しいもの」のままで「生活の一部」にはならず、一度いいなとおもってもいずれ注文するのを忘れてしまったりするのです。

それをちゃんと生活にインストールして、当たり前に使う、「なくてはならない」ものになれるか、が勝負だというわけです。(特に女性は「習慣化」できるととても強い)

サブスクリプションは「生活の一部」になれるか?

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冒頭で、サブスクリプションサービスは「買い物」ではなく「サポート」だと言いました。

つどつど買うものではなく、生活に寄り添ってくれることがその価値です。

ここで重要なのは「Wow!」より「ハマり」の要素で、継続的に価値を感じていただきながらどれだけ生活に必要不可欠なものとなるか?というのが分かれ目になります。

大事にすべき指標や価値観もちがいます。

いわゆる買い物型EC系サービスではコンバージョンや獲得コスト、購入率というのを追いかけます。それは「買う瞬間」にいかに背中を押すか、という点の視点です。

一方、サブスクリプションサービスで重要なのは解約率です。どれだけお客様に寄り添った「日常のパートナー」になれるか?そういう継続的な線の関係を結ぶことが大切だと考えます。

マーケティング観点でいうと、広告や露出などの新規獲得以上に、使っていただいた方にどれだけ満足していただき、さらに満足度を高めていくのか、というインナーマーケティングが大事な観点になります。そしてその観点から言うと、サブスクリプションサービスは継続的にお客様のデータがとれるためそれを改善に生かし、改善し続けられるメリットもあります。

サブスクリプションサービスの中で「シェアリング型」が成功し始めているのを思い出しましょう。

購買、消費、所有から、時代は変わりつつあります。

「Wow!」も「ハマり」も大事ですが、これからより重要になってくるのは「ハマり」の方であり、線のお客様とのリレーションだと考えます。

(余談ですが、これからの企業は人材戦略もこの観点が大事だと考えます。複業や転職を含め流動性があがると、新規獲得である「採用」以上に、メンバーの感じる価値を徐々に高めていく、「ハマり」のある企業を目指すことが大事ではないでしょうか)

僕はよく新規事業や起業の相談に乗るのですが、事業プランの多くが、アイディアや新規性、つまり「Wow!」に寄ることが多く、それに比べ「ハマり」があるか?という視点はややおざなりにされているように感じることが多いです。

これからの顧客体験の重要な流れとして、「ハマり」要素、そしてサブスクリプションサービスの動向にこれからも注目していきたいとおもいます。

あっ、ちなみにYourNailもこないだサブスクリプション型サービスを開始したんですってよ奥さん! (オチが結局宣伝)

https://www.wwdjapan.com/678526

↓9月からKOLとして不定期で投稿しています。興味持っていただけたら他の記事も読んでいただけたら嬉しいです

https://comemo.io/user/13928

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