
2022年の北京での冬季オリンピックは開催されるのか?中国の世論を紹介
延期された2020年の東京オリンピックが今年開催されるのかについての議論をTwitterやニュースサイトでよく目にしますが、実は次の冬季オリンピックは北京で行われます。そして開催まで約一年と迫ってきました。
日本でオリンピックが開催できるのかモヤモヤしている状況でのこの報道に、北京でのオリンピック開催についてはYahooやTwitterで批判的な書き込みが多かったですね。実際、最近は中国でもコロナ感染者が出ていてロックダウンされている場所もあるし、頼みのワクチンも南米の変異種には効果がないかも、といった報道も目にします。
では中国ではオリンピックについてどう考えられてるのか?というと、こちらでは開催されるものとして準備が行われているし、そう報道されています。ネット民たちも「当たり前でしょう」といった空気感で、議論なども殆ど目にしません。
今回は中国の報道資料に基づき、北京の冬のオリンピックの準備状況について紹介します。
まずは会場の建設について。昨年前半のコロナ禍による一時的工事停止もありましたが、今回のオリンピックのために新たに建設された12会場は全て2020年末に工事が完了しました。
↑今回のオリンピックのため新たに建設した「国家高山滑雪中心(スキー場)」
↑今回のオリンピックのため新たに建設した「国家スノーモービル場」
↑廃棄工場の敷地内で作られたスキーのジャンプ台
↑北京と河北省の張家口が共同主催。張家口の山にある会場と選手村の間に新設した鉄道も工事完了。選手村と会場の間は僅か6分で行き来可能。
↑夏のオリピックでは水泳会場だった「水立方」(ウォーターキューブ)が「氷立方」に変身し、今後もニーズに合わせて水泳とカーリングなどの運動に使えるようになりました
↑会場は公開も始まっていて、すでに小学生が見学できるようになってます
↑北京市内にあるアイスホッケー会場も準備万端
北京市政府の発表によると、各会場は今年10月から大会時の基準で運営し始め、中国の選手たちは試合会場での日常トレーニングが可能になるそうです。
ただ、もちろん気になるのはコロナの感染状況ですよね。中国でのコロナ感染はある程度抑え込めていますが、海外の感染状況がしばらく落ち着かなそうな状況をふまえてか、北京政府も新たな大会方針を発表しました。大会の安全保障として41の病院と103のホテル、100万人以上の大会ボランティアをすでに準備していて、コロナへの応急対応策も万全とのことです。
「簡約、安全、精彩」をキーワードにして、デジタル技術を最大限に活用し、クラウド中継やAR観戦などの利用を推進するそうです。テックと動画の先進国の中国、ARなどのテクノロジーやコンテンツが、このオリンピック期間の前後で進化する予感がすごいです。ちょっと不謹慎ですが、いろんな意味で期待させちゃう大会になるかも。
実は最初は、「この状況で来年オリンピックが開催できるのか?」といった議論についてnoteを書こうと妄想したんですが、ネットでもそういった意見や考えはほとんどないです。僕の周りの中国人もオリンピックにはかなりポジティブな感じ。
もちろん、意見の中には、たくさんの外国人の入国を嫌がる声もありますが、冬のオリンピックの開催については「大丈夫でしょう。ワクチンの接種も始まったし、最悪今の入国管理のように完全に外部と接触しないように限られた範囲内で行動すれば問題ない」といったものが殆ど。
そして当然、日本のオリンピックがどうなるのかについてはみんな注目しています。
(参考資料)
https://new.qq.com/omn/20210126/20210126A03D1I00.html
http://www.chinatradenews.com.cn/epaper/content/2021-01/26/content_70576.htm