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エンゲージメントの新潮流

エンゲージメントには婚約を含め様々な意味がありますが、特に株式投資においては「株主として企業に働きかけること」を指します。投資家の行動規範たるスチュワードシップ・コードでは「目的を持った対話」と表現され、必要に応じて他の投資家と協働で行なう「集団的エンゲージメント」も許容されるとしています。

日本で集団的エンゲージメントを主催する団体の一つに機関投資家協働対話フォーラムがあります。同団体は2017年10月に設立され、企業年金連合会、三井住友アセットマネジメント、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行、りそな銀行の大手機関投資家5社が参加しています。エンゲージメントの第1弾として2018年1月より「ビジネスモデルの持続性に関する重要な課題(マテリアリティ)の特定化と開示」を議題にレター送付を開始しました。

注目すべきは7月19日に開始した第2弾で、レターの議題は「不祥事発生企業への、情報開示と社外役員との協働対話のお願い」です。不祥事企業に対する投資家行動でこれまで一般的だったのは株価下落に伴う損害賠償請求訴訟です。しかしエンゲージメントでは不祥事発生の原因となった組織管理体制の不備を正すように当該企業に対して働きかけます。海外では既に一般的なエンゲージメントテーマとなっており、私も英国調査機関勤務時にはレター作成や、年金基金の代理で日本企業へのアポ取りに携わっていたことがあります。

日本で明示的に同テーマがエンゲージメントで扱われたのは初めてで、今後の機関投資家の動向が注目されます。


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黒田 一賢(株式会社日本総合研究所 スペシャリスト)

日本サステナブル投資フォーラム運営委員 青山学院大学非常勤講師 近著に『ビジネスパーソンのためのESGの教科書 英国の戦略に学べ』 ※執筆者の個人的見解であり、日本総合研究所の公式見解を示すものではありません。

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