#国消国産なぜ必要【日経未来面×COMEMO】いただいたアイデア公開します!
こんにちは。日経COMEMOスタッフの山田です。読者や企業の皆さんと一緒に日本の課題について考え議論する日経朝刊の「未来面」が11/24に掲載されました。日経COMEMOではこの未来面とタイアップしてアイデア募集をしております。今回は集まったアイデアを一挙に公開いたします!
「#国消国産なぜ必要」。なかなか難しいテーマですが、KOL(キー・オピニオン・リーダー)を中心に、COMEMOに大変読み応えのある投稿をいただきましたので、以下、一部をご紹介します。
まずは富永朋信さんの投稿から。のっけから「良い策ではないかも」というタイトルですが、投稿をよく読むとなるほど、とうなづけます。
話を国消国産に戻すと、パンデミックの様な滅多に起こらず、その規模が想定しにくいことに対しても、人は(生命保険に入りたくなる様に)備えをしたくなります。しかしこの種の対策で完璧を求めると、コストが嵩むのはご案内の通り。「では、どこで線引きをすべきか」ということをバイアスに惑わされずに決めなければなりません。
滅多に起きないことを想定した備えはともすると過剰な方向に傾きがち、というのが行動経済学のプロスペクト理論からの示唆だといいます。であれば、国消国産の方向に政策や思想の舵きりをするにしても、「理知的なレベル設定をしたい」と富永さんは指摘します。
寄せられた投稿では、消費サイド側の視点に立った投稿が多く目につきました。
外食企業へのコンサルティングを手掛ける子安大輔さんは、焼鳥チェーンのメニュー改定の手伝いをしたとき、ブラジル産の鶏肉を国産に切り替えると、素材に対する想像力が生まれ、働き手の意識変化を強く感じたといいます。
ブラジルから空輸されてきた鶏肉には、はっきり言ってしまえば、想像力が湧くはずもありません。地球の反対から生まれてくるのだからそれも当然です。一方で、「●●県産の●●という鶏肉」であれば、頭の中に何らかのイメージが生まれます。そして何らかの想像力が生まれる食材であれば、より大切に焼こう、もっとおいしく提供しようとなるのも、ごく自然なことだと思うのです。
子安さんは、ひとりひとりが「自分にとってのサプライチェーン」を見直すことには、大きな意味があり、その際、島国ニッポンにとっては、「国産」は大切なキーワードになると指摘します。
倉成英俊さんは人は食べ物を食べるときに、同時に情報を食べているといいます。そして「国内のことを知らないと何も新しいものを産めない」と主張します。
国内のものを食べることによって、自分の国のことを知る。
そして、その情報を持っているからこそ、その強さ、ユニークさ、良さを何かしら新しいものと組み合わせて、発想も経済も文化も豊かにする知恵や魅力が生まれる。
そして倉成さんは、より面白く生きるための簡単な入り口として 、毎日の3食をなるべく意図的にmade in japanを食べる、という提案をしています。
川久保岳彦さんは、顧客の視点から国消国産を考え、どうすれば国産の食料の価値を高めることができるのかが重要だと指摘します。
効率的な物流や販売など、中央集権的に商品を届けるアプローチは、等しく食料を行き渡らせる方法として優れています。しかし、現代の日本のようにかつてよりモノの側面では豊かになった時代では、生産者の想いを削ぎ落とさず、直接顧客に届けるような分散的な仕組みもあるべきだと考えます。
川久保さんは、価値を高めるための方法として、野菜や魚、肉などを生産者から直接購入できるポケットマルシェや食べチョクのようなサービスに注目しているといいます。
村上臣さんは、消費側に目を向けて、短期でも解決できそうな策として、「食品ロス」の削減に注目します。
食品ロスを国民一人あたりに換算すると「お茶碗1杯分(約132g)」が毎日捨てられていることになります。これをゴミ箱ではなく胃袋に収まるようにすれば、その分の輸入が減り貿易収支が多少改善します。
村上さんは、フードロス対策にはひとりひとりの意識が大切だと指摘。例えば、賞味期限と消費期限の違いを正しく理解することなども第一歩だといいます。
島袋孝一さんは、エネルギー分野では「自給自足・地産地消」の時代へ突入しているようだと指摘します。
DX、デジタルやテクノロジーは、従来まで超えられなかった世界を提供してれる。それが、冒頭にCMを引用した「エネルギィ」分野には、すでに訪れているのである。身近なエネルギィを自給自足し、地産地消する世界。
島袋さんは、「セリング」=「売上拡大」だけが企業の選択肢ではなくなっているとし、食品でも季節商品を予約制にする取り組みなどを紹介していますが、村上さんのフードロス対策に通じる話ですね。
未来面は、企業経営者が月初に課題を投げかけ、日経読者の皆さんからアイデアを募集し、月末の紙面で集まったアイデアを公開しています。
10月は全国農業協同組合中央会の中家徹会長が「どうすれば国内で必要な食料を国内で供給できるようになる?」との課題を投げかけました。新聞に掲載されたご意見はこちらをご覧ください。
日経COMEMOでの投稿募集は、未来面と少しだけ問いかけを変えました。 中家会長のいう「国消国産」が、そもそも、なぜ今、必要なのか、という論点に絞ったほうが、議論が盛り上がると思ったからです。
たくさんの投稿、本当にありがとうございました!これらの投稿を読んで興味をもった方、ぜひ次回のテーマに#をつけて投稿してみてください。
こちらは前回のアイデア公開と
こちらは過去の未来面です。
次回の未来面のアイデア募集はまたCOMEMOでお知らせします。楽しみにおまちください!
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