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人はミスする生き物だから、デザインで助けてもらおう。

みなさんこんにちは、澤です。

前回の記事も、とてもたくさんの方に読んでいただいてうれしいです!


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さて、今回のテーマは「人はミスをするようにできている」です。

まずはこの記事。


毎日、各種メディアでもSNSでも盛り上がっていますね。
いろんな考えが出てきて、非常に興味深い事案です。

今回の投稿では、この事案の是非であったり、使い込んでしまった男性への意見であったり、金融機関側の対応だったりについて意見を述べることはありません。
あくまでこの事案を通して考えた「人手によるオペレーションのリスク」について考えたいと思います。

まず押さえておきたい真理は、「人はミスをする生き物である」ということです。
これは間違いありません。
ミスを絶対にしない人はいません。
人は体調や心理状態、加齢などで「ムラ」がどうしても出ます。
なので、同じことをやっても日によってうまくいったりいかなかったりするわけです。
プロスポーツの世界でも、ミスをしない選手はいないわけです。
どんなトッププロでも、ミスをするのです。


例えば、ゴルフ。
最初のショットは、ほぼ同じ条件でみんな打つことができます。
誰かが邪魔することもないし、立ち位置も平坦。いつも通りに打てばいいだけです。
なのに、右や左に曲がったり、避けなきゃいけない池に落っこちたりするわけです。


これは「攻めた結果」だったり「ちょっとした集中力の途切れ」だったり「過度のプレッシャー」だったりします。
そんな内面の変化によって、何千回、何万回も練習したはずのことがうまくできなかったりするわけです。
これは人間の宿命ですね。


さて、話を戻して例の誤送金の話。
これ、振り込みまでのプロセスがかなり手作業になっていたようですね。
(フロッピーディスクが使われているという衝撃の事実にIT業界震撼!・・・ってほどでもなかったですけど、ちょっとびっくりしましたね)
お金のプロが働く金融機関でであっても、お金のやり取りでミスはするでしょう。
そのミスが、今回たまたまデカくて、振り込んだ相手がどうやらヤバい輩だったということで、ニュースになりまくっているわけです。
もちろん仕事ですから、「どんなミスでも許してあげるよ〜〜」というわけにはいかないでしょう。
たら、ミスを責めたところで物事は解決しません。
再発しないようにどうするかの方が、ビジネスにおいては重要な思考のはずです。

ここで「さらにチェックする人数を増やします」なんてのは、最悪のパターンですw
時間とコストが増大する割には、リスクは大して減らないでしょう。

IT化をすることによってミスなく振り込めるようにする、というのが王道なわけですが、ここは一つ「デザイン」に着目したいと思います。
まずこのドアノブを見てください。

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パッとみて、押すのか引くのか判断できないですよね。
ちなみに、ドアの両面同じ構造なので、片方は押し、片方は引くことになっています。
なので、ノブの形は両方の動作に適応していますが、「押す」「引く」のどちらかの行動を即時に引き出す作りにはなっていません。

では次はこちら。

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これを引こうとする人は、相当なひねくれ者でしょうねwww
ドアの形がこうなっていたら、人は即座に「押す」という行動を取るでしょう。
ちなみにこれはトイレのドアで、「入る側」がこの形状になっています。
トイレに用事がある人は、できるだけ急いで入りたいという状況が予想されます。
ボクもよく、ほぼ臨界点・決壊寸前って状態で駆け込むことがあります(説明せんでもよろし)。
なので、「押して入る」という心理状態にも寄り添っていると言えます。

そして、反対側はこれ。

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この形状は「つかむ」という行動を引き出し、掴んだ状態なら「引く」の方が肉体的に自然な動きになります。
形状が動作を引き出すのです。
また、用事を済ませて心身ともに余裕ができていれば「入る時に押したから、出る時は引くのかな」と頭で理解して行動する人も一定数いそうですね。

「ノブの近くに『押す』『引く』って書いておけばいいのでは」という意見もあるでしょう。
でも、これは「ドアを開ける」という動作の前に「読む」というアクションを求めている時点で、「自然と行動が引き出せていない」ということになります。
また、その文字を「読んで理解できる」ことが条件になるため、人類みんなに親切、というデザインになっていないとも言えます。

色や形状が行動を引き出す、という考え方を「アフォーダンス理論」というのだそうです。
これはアメリカの心理学者であるJ・J・ギブソンが提唱した、認知心理学における概念です。
「自然と行動に移せる」というデザインにしておけば、多くの人のミスを減らすことができます。

おそらく今回のミスは、「目視による確認」がオペレーションの中心になっていて、入力された数字が正しいものかどうかは「人間が判断する」という流れになっていたのではないかと思います。
これを「一世帯10万円という設定にしかならない」という入力画面を用意してあげるだけで、手続き担当者の不幸なミスを防げたのかもしれません。

ちなみに、ボクが仕事の上で「悪魔の言葉」と言っているのが「運用でカバー」です。
これ、ミスの温床を増やしていると言っても過言ではありません。
人力で頑張るって、美しいようですけど実際にはヤバいだけだと思った方がいいでしょう。
自動化できるところはどんどん自動化しちゃった方がいいのですし、デザインによって行動を自動化した方が安全です。

身の回りの「ミスしがちなもの」を「アフォーダンス理論」によってどうにかできないかなって考えるのも、面白そうです。

最近、デザインについてあれこれ勉強しているのですが、バイブルとも言える本がこちら。
何度も読み直しています。

また、アフォーダンスについてはこの本も参考になります。

そして、デザインに関する新鮮な情報を手に入れたいなら、このサイトは必見。
ボクの大親友である Brandon Hill さん率いるデザイン会社、btrax がお届けするブログ。
ほんっとに勉強になります。


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