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「キャッシュレスはつらいよ」を超えた先の明るい未来
こんにちは、Funleashの志水です。少しずつ春めいてきましたね。
今日はキャッシュレス決済について書いてみます。
皆さんはこんな光景を見たことがありますか?
夜のコンビニで、レジ前に長い行列ができ、店員さんが一人で必死に対応している。その時、支払いの段階で誰かが財布から現金を取り出そうとするも、小銭が見つからずポケットをあちこち探し回る。待っている人々の視線がその人に集中し、ようやく現金で支払いが完了すると、すでに次の人が待たされている……。それが若い世代なら、「キャッシュレスならもっとスムーズに済むのに」と感じずにはいられません。少なくとも私は、なぜキャッシュレスを使わないのかしら?と不思議に思ってしまいます。もちろん、キャッシュレスの利用は個々人の価値観です。私の場合は、他の人に迷惑をかけたくないという思いと、レジ前で小銭が財布から飛び出して注目を浴びた恥ずかしさ(何度も経験あり)から、いち早く現金払いを卒業しました。キャッシュレス非対応の店舗ではカード決済なので、財布の中に小銭があることはめずらしいくらいです。
上にある日経新聞の記事で、ある人気ラーメン店が「店にとって良いことが一つもない」という理由でキャッシュレス決済の導入を躊躇していると報じられたのを目にしました。確かに、導入コストや手数料の負担は重く、短期的には経済的リスクとなる懸念もあります。けれども、キャッシュレス決済がもたらす価値は、単なる支払い方法の変更にとどまりません。初期投資の回収が難しいケースもあるかもしれませんが、その本質的なメリットは業務効率の向上と、経営者や働き手がより創造的な活動に専念できる環境の実現にあると感じています。
近年、地方都市ではキャッシュレス化を積極的に進めた成功事例が続々と報告されています。例えば、岐阜県飛騨市で導入された「さるぼぼコイン」は、現金管理にかかる手間を大幅に削減し、従業員が本来の業務に集中できる環境を整えることで地域経済の活性化に寄与しています。同様に、岩手県盛岡市の「MORIO Pay」も、キャッシュレス決済導入後に店舗全体の売上が増加し、顧客にとって支払いが格段に便利になるという好循環を生み出しています。
これらの事例は、初期投資や手数料というコストが、結果的に業務効率の向上や卓越した顧客体験の提供という未来への投資として十分に回収可能であることを示しているのではないでしょうか。
また、キャッシュレス化の大きな魅力は、現金管理やレジ作業に費やしていた貴重な時間を、より価値のある業務へとシフトできる点にあります。新たな商品・サービスの開発、顧客体験の向上、そして地域社会との連携強化など、これまで「現金中心」で縛られていた業務を解放することで、中小企業や個人商店が持続的に成長し発展するための基盤が整います。現代の人手不足が深刻化する経営環境において、効率化は単なる時短以上の意味を持ち、将来のビジネスモデル再構築の鍵となりえます。
さらに、キャッシュレス決済は取引データの蓄積と分析を可能にし、マーケティング戦略の精度向上にも大いに役立ちます。顧客の購買履歴や行動パターンをリアルタイムで把握することで、よりパーソナライズされたサービス提供が実現し、結果として顧客満足度の向上やリピーターの増加につながります。このようなデータドリブンなアプローチは、単なる売上向上に留まらず、地域コミュニティとの新たな連携や地域ブランドの向上にも寄与するため、長期的な発展戦略として大きな意義があります。このあたりを総合的に考慮すればもう少し普及するのでは・・。
一見、キャッシュレス決済に伴う手数料はコスト負担のように映るかもしれませんが、私はこれを「未来への投資」と考えています。業務効率の向上と時間の有効活用により生まれる新たな価値は、従来のビジネススタイルを根本から変革する可能性を秘めています。これまで「キャッシュレスはつらい」と嘆かれてきた現実を乗り越え、むしろ「キャッシュレスだからこそ」実現できる明るい未来が、地方の成功事例を通じて着実に形になっていると感じます。
地域経済の活性化や新たな事業機会の創出を背景に、これからの社会はより効率的で革新的なビジネスの舞台へと進化するはずです。中小企業や販売店の皆さんが、日々の業務に追われてしまうのは理解できますが、原点に帰って、「なにを顧客に提供したいのか」「どんなお店にしたいのか」など「ありたい姿」を描き、キャッシュレス決済という革新的なツールの可能性を理解して、積極的に活用していただけるような支援体制が整うことでキャッシュレスがより普及するのではないでしょうか。
そのような支援をサービスの提供側が考えていくことが大切だと思います。